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ギュッと閉じていた目を、恐る恐る開ける。
私の目に映ったのは、
少し驚きながらも此方を見ている凛月さん。
…今私、凛月さんと目が合ってるよね?
気のせいなんかじゃないよね?
私の声なんて届くはずないって思っていたから、
いざ彼に気付かれると、なんだか少し恥ずかしい。
というか、さっきから動きを止めて
気のせい…じゃなければ、私をずっと見ている気がする。
いきなり呼び捨てで呼んだから、怒ってるとか?
なんて、一人で悶々と考え込んでいると、
その場に立ち尽くしていた凛月さんが動き始めた。
…ん?
あれ、もしかして凛月さん……
「 えっ、ちょっと!
凛月がこっちに来てるんですけどっ!! 」
私の隣にいた華が、今日一番の大きな声を出しては、
此方に向かってる凛月さんをみて興奮し始めた。
ほ、本当にこっちに向かってる…。
そして、今までよりはっきりと
表情が見える距離にまで凛月さんが近づいてきた。
最早、私の目の前にいる。
周りの声が、さっきよりも増した。
手を伸ばせば、すぐ届く距離。
美しく光る赤い瞳に見つめられ、
呼吸さえするのを忘れそうになってしまう。
「 …こんな日差しが強いのに
俺にこんな事させるなんて、エッちゃんも酷な奴だよねぇ。
でも、こういうのもたまには悪くないかな…♪ 」
ふわり、微笑みながら。
細くて綺麗で、けど大きな手で私の頭を優しく撫でた。
「 ……っ、」
優しく笑う彼を見てると、なんだか泣きそうになる。
凛月さんはポンポンと撫で、また校庭の中央に戻っていった。
その間、もちろん私の周りにもファンサービスをして。
そして、白団の応援が終わり
今度は赤団の応援合戦が始まろうとしている。
「 やばいよ本っ当、凛月ってばカッコ良すぎ!!
そういやA、凛月に頭撫でてもらってたでしょ?!
ずるすぎ〜…、って。A?どうかした? 」
華が私に話しかけてるのに、
私は呆然とその場に立ち尽くしていた。
――― 気付いてしまった。
『 ねぇ、そこで何してんの? 』
『 俺の安眠妨害しないでよねぇ 』
『 また俺の跡つけてきたの?そろそろ警察に訴えるよ〜 』
『 同じ学校なのに、¨俺たち¨を知らない人がいるなんて。
アイドル科も堕ちたもんだねぇ 』
『 ふぅん、じゃあAね 』
「 …っ、どうしよ…… 」
私は、彼を、好きになってしまったのだ。
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ルビィ - この作品何度も読み直しています。続きが気になります。更新して欲しいです。 (2019年11月6日 20時) (レス) id: 49488ecbb9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - ゆうたさん» わあああ、お恥ずかしいです…。ご指摘、有難うございます! (2017年6月25日 19時) (レス) id: 8101eae6b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうた - りつの、りは凛ですよ! (2017年6月12日 15時) (レス) id: 88d6a4021e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2017年3月19日 22時