今日で最期 (ページ26)

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「これで成仏できる？」

「うん、できるわ。」

「…よかった」

「よかって思ってくれてる？ほんとに」

「…今は思えない。……でもいつか思えるよう今がんばるって決めたから。」

「…幸せになれよ」

ハッとして顔を上げた。
うらたの顔を見ると、悲しそうに眉を下げ、目をうるませていた。

「泣かないでよ…」

「泣いてねぇよ」

「強がりー！さ、開けよっか」

「そうだな」

古びた缶のかみ合わせは少しズレていて、かなり開けにくそうだった。

うらたが思い切り力を込めてあげると、
写真が2枚、そして、それぞれが書いた手紙が入っていた。

私の手紙は優しいピンク色、うらたのは真っ白の手紙だった。

お互いそれを無言で手に取り、真剣に読む。

私の手紙には、うらたとずっと仲良しでいて欲しいこと。うらたが自分を変えてくれたこと。それを忘れないで欲しいというようなことが書いてあった。

私はすっかり忘れてしまっていた。
自分はうらたのおかげで、活発で、笑える子になったことを。

私にとってそれほどうらたが大切な人だったってこと。

「……うらた」

「ん？」

「ありがと」