４０.Ｆ ページ40
ぼんやりとする頭を抱えて重い瞼を上げる。
いまだにポカポカする身体。
あれからどうしたっけな、と不完全な覚醒の中で記憶の跡を辿る。
だんだんと覚醒する意識。
その場から勢いよく身体を起こして、驚きに周囲をくるりと見渡す。
「……なんで？」
見慣れないインテリア。
落ち着かない雰囲気。
でも、纏う空気はひどく安心してしまうモノ。
Ｋｉ「…大丈夫かよ、」
「…ッ、きた…(やま)…、なっ、…へ？」
ベッドサイドに座り込む北山を見つけて、呆然と固まる。
Ｋｉ「…お前、意識飛ばしてた。……覚えてない？」
北山の言葉にギリギリだった撮影を思い返す。
終わったと思ったら、一瞬で気が抜けて…、そのまま北山に身体を預けてしまった。
ちゃんとした記憶があるのはそこまで。
ただの知恵熱がどうしてこう最悪の結果に至るのか…
不甲斐ない自分の姿を思い出し、掛け布団に思い切り顔を埋めた。
Ｋｉ「なんか食える？」
掛け布団に埋もれたまま、北山の声が優しく届く。
いまだにこのシチュエーションに驚きも隠せないのに、先々に進む光景にマトモに返事すら出来ない。
チラッと見上げた視線に、北山の覗き込んでくる視線と重なる。
モゴモゴと口籠ったまま小さく呟く。
「…ここって…、」
Ｋｉ「あー…、俺の部屋。お前のウチ、知らないし。マネ、撮影の後色々詰まって連れてけないって困ってたから。」
「…そうなんだ。」
小さく呟き、軽く項垂れる。
北山の責任感とか、優しさとか…
そうゆうモノ全て、理解しているつもりだけど。
(…こうやって簡単にベッドに上げちゃうんだ。)
騒つく胸を北山に隠れて掻き抱く。
勝手にひとりで傷付いてる自分が許せなくて、自嘲気味に笑みを溢した。
Ｋｉ「……藤ヶ谷？」
不自然な沈黙に北山の不思議そうな視線が俺を伺う。
曖昧に微笑んで、何でもないと小さく呟いて返した。
勝手に傷付いた感情を押し込めて、ようやく身体を起こす。
身に付けていたそれぞれを掴みながら、重い口を何とか開く。
「…もう、大丈夫だから。…そろそろ帰るわ。」
Ｋｉ「…へっ？」
丁寧にハンガーにかけられたジャケットに手を伸ばす。
それを羽織りながら、あまりに気の抜けた北山の声に、思わず振り返ってその顔を凝視する。
その反応にこそ、俺の方が気の抜けた返事をしたいくらいだ。
「……いくらメンバーでも、そこまで世話になる気はないよ。」
北山の読み取れない表情を伺いながら、何とかそう伝えた。
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蜜柑(プロフ) - いゆらんさん» いゆらんさん、こんばんは！またまたお返事遅くてごめんなさい(^◇^;)太輔さんのウジウジターンがちょっとウザいですが、もう早くみっちゃん振り回して欲しいです(もはや、願望)みっちゃんもこれから揺れまくります！笑 (2021年9月10日 21時) (
レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
いゆらん(プロフ) - おはようございます♪玉ちゃんの牽制がわかりやすく太輔さんの落ち込みが堪りません^ ^そして、みっくんの太輔さんに対する切なさが愛おしく続きが楽しみでワクワクしております。更新をお待ちしておりますm(_ _)m (2021年8月12日 7時) (レス) id: 489ddd4174 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ひろさん» ひろさん、こんにちは！とっても遅くなってごめんなさい(^◇^;)本当に対照的…専らたまちゃんの甘々攻撃が続いてますが、太輔さんも頑張ります！笑でもやはりきっかけはみっちゃんからかもしれないですね…((*ﾟ∀ﾟ)) (2021年8月8日 11時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - やや子さん» やや子さん、お返事遅くなってごめんなさい(^◇^;)あのシーンはほぼ行き当たりばったりですね笑ご期待に応えられるかわかりませんが、とことん拗らせてみますね笑 (2021年8月8日 11時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 蜜柑様、初めまして。読める作品は殆ど拝見しました！ 色んなお話があって、とても楽しませて頂いています！「奪い合い」、素直になれないＦさんと対照的にめちゃめちゃ素直なTさんに揺れるＫさんの気持ちが分かりすぎて、続きはどうなるのか楽しみです(o^^o) (2021年7月28日 21時) (レス) id: eef22d22d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑
| 作成日時：2020年11月1日 11時
