９.Ｋｉ ページ9
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傷付いた心を少しでも癒したい。
その一心で、無我夢中でその唇に吸い付く。
Ｆ「んっ…ちょ、きたやまっ、」
「んはっ、なに…っ、」
藤ヶ谷の膝に跨って、その首に両腕を回す。
鼻先と鼻先が触れ合うその距離で、息苦しさに耐え切れず藤ヶ谷がそれを離した。
Ｆ「どうしたの、北山っ、」
「……ん、なにが？」
Ｆ「今日やけに積極的じゃない？」
「…いつもこんなもんだろ。」
Ｆ「まぁおれは嬉しいけど(笑)」
確かに、言われてみれば図星だ。
でも、早くお前に触りたくて…キスしたくて、だからちょっと今日のおれは、可笑しいのかもしれない。
不安定に揺れる心。そんな自分が心底嫌い。そんな心から目を背けたくて、ギュッと藤ヶ谷に抱き付いた。
Ｆ「…積極的な上にすごく甘えん坊…？」
「…別に。」
藤ヶ谷の首元に顔を埋めて、精一杯その距離も埋めていく。フワッとおれの髪に藤ヶ谷の手のひらが触れる。まるでおれをあやす様にポンポンした後、その髪に指先を透き通す。
(…あぁ、心地良い…)
藤ヶ谷に身体を預けて、油断していた。
チクッと鎖骨に感じる違和感。
藤ヶ谷に預けた身体を、胸元を押し返しながら引く。
ジワジワと痛むそれに、ニコッとおれに微笑み返す藤ヶ谷を睨み付けた。
「……今、痕付けた？」
Ｆ「これで北山が不安になることもないじゃん(笑)」
ヘラっと笑いながら何てことしやがるんだ。
嬉しさ反面、複雑な心。
どうゆうわけかそれも一緒に、元の世界でも反映されてしまうから。
頭の片隅でぼんやりと明日のスケジュールを思い浮かべる。
何度思い返してみても、やはり明日は非常にヤバイ。確か明日は、新曲の衣装合わせだ。
そんなおれの複雑な心境なんて少しも考えていないだろう藤ヶ谷。
ちゅっ、ちゅ…と繰り返されるそれに、全身がポカポカと熱に浮かされていく。
「…っ、これ以上はダメ。」
Ｆ「……マジ？拷問にも程がある。」
どこか悔しそうに唇を歪めて眉根を寄せるから、ごめんねを込めてその引きつった眉根に小さくキスを落とす。
おれだって、色々ヤバイけどこれ以上は明日に差し支える。確実に。
藤ヶ谷から腰を上げて、散らばる荷物を拾い集める。そんなおれにソファにのんびりと座ったまま、名残惜しく藤ヶ谷が続ける。
Ｆ「…なんだ、今日は泊まっていかないの？」
「うん。明日早いし。」
背中に藤ヶ谷の視線を感じながら、淡々と答える。
本音は…そんなの決まっている。
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ちび(プロフ) - めっちゃ楽しすぎました、パララブ不思議な世界観めっちゃ好きでした、長い間2人外にいたから、楽屋での5人は心配だったでしょうね。続妄想してます。楽しい話でした💓❤️ラブラブ藤北可愛いすぎました。 (2023年4月20日 23時) (
レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - はじめまして。先程、こちらの昨日を読ませていただきました。思いもかけない展開に、ドキドキして一気に読み進んでしまいました。想像出来ない展開、すごく面白かったです(o^^o) これから他の作品も読ませていただきます(o^^o) (2021年6月24日 22時) (レス) id: 879c96607e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - くらげさん» くらげさん！！お返事遅くなりごめんなさい(^◇^;)私も愛されまくりのみっちゃん大好物です笑私もくらげさんのお話全力待機してまーす！！いつもありがとうございます！ (2020年8月5日 17時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蜜柑さん、完結お疲れ様でした！この2人はこれから先もずっとこんな感じでラブラブなんだろうと思わせて貰えてとても幸せな気持ちになりました！ありがとうございます(*´ω`*)明日〜も楽しみにしておりますし総受けも是非読みたいです！愛されKさん幸せすぎます(〃ω〃) (2020年8月2日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんばんは！本当ですか？！(^◇^;)ひとりでもいらっしゃるなら嬉しいです！！ (2020年7月30日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑
| 作成日時：2020年1月26日 19時
