ナイショの恋していいですか？

７.Ｋｉ ページ7

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ゲストの先輩へと丁寧に挨拶をして、見送り、それからゾロゾロとみんなで楽屋へと戻る。


ひとつ、気になっていること。
なぜ、あのゲームにログインすると、元のリアル世界ではゲームと関連したリアル世界が待っているのか。


(…プレミアムの収録は、昨日向こうでしてきた…のに、)


また、同じことを繰り返しているような変な感覚。
ただ、やっぱり違うのは…


Ｆ「……この後、何だっけ？」


Ｙ「さっき、自分で言ってなかった？あと、撮影で終わりだよ。」


Ｆ「……だよな、ん、ごめん。」


ただやっぱり藤ヶ谷とはただのメンバーで、ただの相棒だと言うこと。
…この先、一生変わらない関係。


藤ヶ谷と横尾さんの会話をぼんやりと聞きながら、そっと俯く。
どうしたって変わらない関係に、思わず苦笑い。
俯いて、誰にも気付かれないように隠したはずなのに、真横に感じるいつもの気配に、慌てて顔を上げる。


「…っ、な…に、」


顔を上げた矢先、思いの外藤ヶ谷との近い距離に、足が止まってしまう。
その読み取れない表情に、固まって、不意に顔を背ける。
どうにも出来ず、戸惑い焦る心。
無言で見つめられる視線に、走って逃げ出したくなる。



Ｆ「……大丈夫そうなら、別に。」


「っ…ぅえ？」


小さく聞こえるか聞こえないかのボリューム。
背けた視線を元に戻せば、もうすでに藤ヶ谷はそこにいなくて、替わりに苦く笑う横尾さんがおれの肩をポンと叩いていく。


「……何なんだよっ、…、」


こうゆうこと、本当に困る。
普段、絶対にお前から話しかけてくることなんてないのに…
ただ、俯いて我慢して笑っていただけ。
それなのに…、


(…心配、してくれんだ。)



「…ふふっ、」


…素直に、嬉しいとか思ってしまう。
嫌われてはいないと、錯覚してしまう。


藤ヶ谷のそうゆうとこ、知っているから。
どれだけ失くしたいと、消してしまいたいと思っていても、結局…また好きだと自覚して。


だけど、ゲームみたいにはいかない。
そんなにうまく、幸せなんてものは手に入らない。


だからおれは、この消したくても消えてくれない気持ちに浸りたくて。
…好きだと言われたくて。
…好きだと言いたくて。
…いつだってずっと愛されたくて。


ただただ、非現実の世界へ今日もダイブする。

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