３７.Ｆ ページ37
おれがやると頑なに譲ってくれないから、おれの方が折れてしまった。
カチャカチャとちょっと乱暴な音を出しながら、それでも一枚一枚丁寧に皿洗いをする北山。
片肘をテーブルに預け、その手に頬を乗せ、ぼうっとその背中を見守る。
しかしながら…
「……すっげぇ刺激的。」
聞こえないように小さく呟いたのに、ピクッと肩を震わせながら目敏く北山が反応する。
Ｋｉ「……お前がやったんだろ。」
おれに振り向くことなく背中を向けたまま、止まっていた手を動かし始める北山。
朝からおれのTシャツ一枚を身にまとい、チラチラとその裾から垣間見える太腿は、おれの理性を果てしなく煽っている。
「……その下ってパンツ履いてる？」
Ｋｉ「さぁ、どうでしょう(笑)」
「…願望は履いてないが嬉しいけど…、」
Ｋｉ「……そんな訳ねぇだろ…、」
やっと振り向いた北山が、呆れたように溜息を吐く。
丁度良いタイミングでどうやら洗い物も終えたらしい。
濡れた手を軽く振って、何の前触れもなくTシャツの裾をタオル替わりにするから、突如見え隠れするお臍と腹部に、ドキッと心臓が跳ね上がる。
「パンツは履いてたけど急にお腹出すのやめてよ。」
Ｋｉ「…そんなの知らねぇもん。」
フッとソッポ向いて唇を突き出しムッとする北山。明らかに確信犯じゃないか。
我慢出来ずにフラフラとキッチンへ向かう。
シンクに身を預けたまま動かない北山。
北山を閉じ込めるように向かい合う。
Ｋｉ「……シねぇぞ？昨日さんざんシたじゃん…！」
「昨日は昨日、今日は今日だよ。北山、」
北山と無理やり目を合わせるように、下から煽って覗き込む。じんわりと赤く染まる頬は、多分…まんざらでもないだろう。
ばっちりと重なる視線。何も言葉を発せず、お互いの間を流れる静寂。
北山の揺れる瞳に、ちょっとだけ小首を傾げて、無言で尋ねる。
Ｋｉ「…いや、付き合ってた時…本当、こんな感じだったなって。」
「………どうゆう意味？」
Ｋｉ「どこかあっさりしてるけど、やっぱり少しだけ愛情が垣間見える感じ…、」
「………ッ、」
北山のポツリとゆっくり紡ぎ出された言葉に、固まってしまう。
それを見た北山が自分の言葉の意味を改めて飲み込んだらしい。ぼぼぼっとまるで音がする勢いで顔を真っ赤にして、両手でそれを覆い隠した。
(か…可愛い…ッ…！)
……これは本当に、色々とヤバイ。
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ちび(プロフ) - めっちゃ楽しすぎました、パララブ不思議な世界観めっちゃ好きでした、長い間2人外にいたから、楽屋での5人は心配だったでしょうね。続妄想してます。楽しい話でした💓❤️ラブラブ藤北可愛いすぎました。 (2023年4月20日 23時) (
レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - はじめまして。先程、こちらの昨日を読ませていただきました。思いもかけない展開に、ドキドキして一気に読み進んでしまいました。想像出来ない展開、すごく面白かったです(o^^o) これから他の作品も読ませていただきます(o^^o) (2021年6月24日 22時) (レス) id: 879c96607e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - くらげさん» くらげさん！！お返事遅くなりごめんなさい(^◇^;)私も愛されまくりのみっちゃん大好物です笑私もくらげさんのお話全力待機してまーす！！いつもありがとうございます！ (2020年8月5日 17時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蜜柑さん、完結お疲れ様でした！この2人はこれから先もずっとこんな感じでラブラブなんだろうと思わせて貰えてとても幸せな気持ちになりました！ありがとうございます(*´ω`*)明日〜も楽しみにしておりますし総受けも是非読みたいです！愛されKさん幸せすぎます(〃ω〃) (2020年8月2日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんばんは！本当ですか？！(^◇^;)ひとりでもいらっしゃるなら嬉しいです！！ (2020年7月30日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑
| 作成日時：2020年1月26日 19時
