２５.Ｋｉ ページ25
おれの方を見向きもせず、俯いてそれだけ言うと深く溜息を吐く藤ヶ谷。
Ｆ「…ごめん、ちゃんとするから。」
気まずそうにそれだけ付け加えて小さく舌打ちする。
別に、謝ってほしいわけでもない。
ただ、お前がおれを心配してくれるようにおれも藤ヶ谷が心配なだけ。
傷付いたような表情を浮かべて俯くお前が…ただ、放っておけないだけで。
……何でそんな傷付いてんだろうって、気になってるだけで。
こんなこと、いつものおれなら当たり障りなく接しようと不安に駆られて仕方ないのに。
藤ヶ谷の表情が、ついこないだのおれ自身と重なる。
「……なんか、…あったんだろ？」
遠慮がちに問いかけた言葉。
ビクッと藤ヶ谷の肩が目敏く揺れている。
一瞬だけ、気まずい沈黙が流れて…、
わざとらしく藤ヶ谷が大きく息を吐き出した。
Ｆ「…別に何でもないって言ってんじゃん。なんでおれに構うの？」
突き付けるようなセリフに冷たい視線。
それだけ浴びて、ふと後悔する。
あぁ、何で踏み込んじゃったんだろうって。
ぼんやりと思い浮かぶ理由に、フッと苦く笑う。
そんなおれの態度が、いちいち藤ヶ谷の気に触るらしい。
Ｆ「北山は、一体…おれの何？なんの関係もないお前がおれの中に踏み込んでくるんじゃねぇよ！！」
藤ヶ谷の言葉が、胸の奥で突き刺さる。
愛された世界から一転、リアルすぎる拒絶。
…っ、…痛い、苦しい。
なんで。
何でこんな想い、…してんだよ。
苦し紛れに、藤ヶ谷の胸倉に掴みかかる。
そんな態度に、藤ヶ谷の瞳が焦り…戸惑いに揺れる。
「……っ、お前が言ったんだよ。仕事にプライベート持ち込むなって。…自分が言ったこと、忘れた？」
淡々とそう良い放てば、藤ヶ谷がヒュッと小さく息を飲んだ。
ピリピリと張り詰めた空気に、シンと沈黙した時間がおれたち二人を取り囲む。
胸倉を掴まれたまま、藤ヶ谷がフッと意地悪く笑みを浮かべた。
Ｆ「……おれに言われたから…、別れでもした？」
「……何の話だよ。」
何の感情も読み取れないまま、藤ヶ谷が冷たい視線を突き付けながら続ける。
Ｆ「……付き合ってるやつ、いたんだろ？」
別れた、とそれ前提で話を続ける藤ヶ谷に、苛々する。
別れた。
確かに別れたけれど。
それはまだ始まってもいない恋。
おれの気持ちは、まだ終わってもいない。
「……だったら何？本物のお前が、おれの気持ち受け止めてくれるわけ？」
吐露した言葉は、震えていた。
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ちび(プロフ) - めっちゃ楽しすぎました、パララブ不思議な世界観めっちゃ好きでした、長い間2人外にいたから、楽屋での5人は心配だったでしょうね。続妄想してます。楽しい話でした💓❤️ラブラブ藤北可愛いすぎました。 (2023年4月20日 23時) (
レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - はじめまして。先程、こちらの昨日を読ませていただきました。思いもかけない展開に、ドキドキして一気に読み進んでしまいました。想像出来ない展開、すごく面白かったです(o^^o) これから他の作品も読ませていただきます(o^^o) (2021年6月24日 22時) (レス) id: 879c96607e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - くらげさん» くらげさん！！お返事遅くなりごめんなさい(^◇^;)私も愛されまくりのみっちゃん大好物です笑私もくらげさんのお話全力待機してまーす！！いつもありがとうございます！ (2020年8月5日 17時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蜜柑さん、完結お疲れ様でした！この2人はこれから先もずっとこんな感じでラブラブなんだろうと思わせて貰えてとても幸せな気持ちになりました！ありがとうございます(*´ω`*)明日〜も楽しみにしておりますし総受けも是非読みたいです！愛されKさん幸せすぎます(〃ω〃) (2020年8月2日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんばんは！本当ですか？！(^◇^;)ひとりでもいらっしゃるなら嬉しいです！！ (2020年7月30日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑
| 作成日時：2020年1月26日 19時
