17.F ページ17
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思わず掴んでしまった手に残る感触。
確かめるように何度も手のひらをギュッと閉じたり、開いたりを繰り返す。
……本物の、北山の感触。
たった数秒掴んだ肩は、確かに震えている気がした。
Ki「どうかした?」
ぼぉと思い馳せてたら、おれの手のひらに重なって、北山の顔がヒョッコリと遮ってくる。
なんの躊躇いもなく触れることが出来るそれに嬉しくて、目の前の北山を引き寄せながら抱きしめ倒した。
Ki「…なんで膝枕…っ、」
「何となく?(笑)」
不本意ながらも、大人しくおれの膝に頭を預ける北山。自分からこの体勢に誘導したくせにこのアングルは、破壊力がありすぎる。
惚れた弱みとはこのこと。リアルではありえないアングルにヘタリ込みながら北山の胸元に項垂れる。
Ki「ちょっ、重い!!離れろっ!」
「ひどっ、北山冷たい。…そんなこと言う?」
Ki「…なんか、落ち込んでる?」
髪の毛に、北山の指先が触れる。
慰めるように、遠慮なくサワサワと触れるそれが、凄く心地良い。
「ねぇ。」
Ki「んー?」
触れることを辞めずに、当たり前のように撫でてくれる指先。その指先を絡め取りながら、北山に預けた頭をゆっくり上げて、揺れる瞳を見つめる。
「キスしたい。」
Ki「っ、…はぁ?!//」
「いいじゃん、しよ。」
Ki「っ、お前っ…最近そればっか!//」
戸惑い、あたふたする北山が可愛くて震える唇に自身の唇を優しく添える。
小さくリップ音だけ鳴らして北山の唇を堪能すれば、真っ赤な北山の顔が不満気におれの視界に映る。
「なに、その顔。」
北山の表情におれも無意識に寄ってしまう眉間のシワ。
(…ヤバイ、がっつきすぎた…)
そう思ってしまった矢先、視線を泳がせて口をパクパクする北山に釘付けになる。
Ki「…っ、〜〜う…、悶々するっ//」
「はっ?」
それってめちゃくちゃ良い方に期待するけど。
思いながら、それをそのまま言葉にしようとしたらスルッと北山の手がおれの首元に回ってくる。
そのままグッと引き寄せられて、北山の重みに従うように重なる唇。
「…っ…んっ、」
ゲームなのに。
ただのゲームなのに。
今日の北山はどこか大胆で、おれの理性をくすぐってくる。
素直にその唇を堪能してクチュッと、北山の咥内を一通り味わう。
「…は…、明日早いからこれ以上はダメだよ。」
Ki「んっ…はぁ…、わかってるっ、」
……全然わかってないでしょ。
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ちび(プロフ) - めっちゃ楽しすぎました、パララブ不思議な世界観めっちゃ好きでした、長い間2人外にいたから、楽屋での5人は心配だったでしょうね。続妄想してます。楽しい話でした💓❤️ラブラブ藤北可愛いすぎました。 (2023年4月20日 23時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - はじめまして。先程、こちらの昨日を読ませていただきました。思いもかけない展開に、ドキドキして一気に読み進んでしまいました。想像出来ない展開、すごく面白かったです(o^^o) これから他の作品も読ませていただきます(o^^o) (2021年6月24日 22時) (レス) id: 879c96607e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - くらげさん» くらげさん!!お返事遅くなりごめんなさい(^◇^;)私も愛されまくりのみっちゃん大好物です笑私もくらげさんのお話全力待機してまーす!!いつもありがとうございます! (2020年8月5日 17時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蜜柑さん、完結お疲れ様でした!この2人はこれから先もずっとこんな感じでラブラブなんだろうと思わせて貰えてとても幸せな気持ちになりました!ありがとうございます(*´ω`*)明日〜も楽しみにしておりますし総受けも是非読みたいです!愛されKさん幸せすぎます(〃ω〃) (2020年8月2日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんばんは!本当ですか?!(^◇^;)ひとりでもいらっしゃるなら嬉しいです!! (2020年7月30日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2020年1月26日 19時