１１.Ｋｉ ページ11
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眠すぎて視界が霞む。パチパチと何度か瞬きしても眠い欲求には抗うことはできない。
自分でもゲームにのめり込み過ぎているということは、自覚していた。
それでもあの幸せな世界から抜け出す勇気はない。
Ｔ「また寝不足？」
少し鬱陶しそうにたまが呟く。
その不機嫌な理由は何となくわかっている。またここで寝ぼけて、たまに起こされるという未来が簡単に想像できた。
それでも差し迫る眠気には勝てない。
預けていた身体を起こして、腰を上げる。
Ｔ「みつ？」
「わりぃ、ちょっと出るわ。なんかあったら連絡して。」
それだけ言って、鞄からスマホだけ引っ掴んで楽屋を出て行く。
さすがにこのおれの自己満な生活にたまを巻き込むわけにはいかない。
休める時間は…約1時間。
チラッとそれだけ確認して空いている部屋を探す。
(30分だけ…)
それだけ寝たら、楽屋に戻ろう。
それから収録の内容を頭に叩き込む。
幸いにもラッキーなことに、空室と書かれた部屋。やっと寝れる。その欲求一心に、静かな畳み部屋へとゴロンと横になった。
もう起き上がることも億劫だ。
部屋の鍵、かけたかどうかも面倒くさい。
ウトウトと落ちるまぶた。
遠退く意識に自然と身体の力が抜けていく。
このまま…あっちの藤ヶ谷に出会えたらいいのに。
なんて、あり得ない妄想を巡らせる。
こんなに会いたいなら、昨日やっとけばよかった。
目一杯抱いてもらって、その幸せに浸って今日を迎えられたら、どんなに現実世界が楽なのか。
「……好き。」
(…好きだよ、藤ヶ谷。)
消せない気持ちは、どんどん積もっていく。
嫌だ、苦しい。募る気持ちに胸を掻き抱きながら、僅かに揺れる身体に、だんだんと意識が覚醒していく。
遠慮がちに触れる手付きが、どこかぎこちない。
(…でも…、気持ちいい。)
髪の毛に感じる違和感。
パチっと開眼して、戸惑いに揺れるその瞳とぶつかる。
「…えっ？」
小さく漏れた声音に、ガバッと離れていくその姿。
おれから視線を外して、クルッと背中を向けてそそくさと出て行こうとする。
「……藤ヶ谷？」
呟いた名前に、ピクッと目敏く反応する藤ヶ谷。
扉に手をかけたまま、おれには一瞥もくれない。その代わりに、心底不満そうな声で渋々吐き出した。
Ｆ「…収録、始まるけど。」
「っえっ？！」
おれ、そんな寝てた？！
慌てて身体を起こして、スマホを開いた。
収録開始、15分前。
これは、確実に怒られる案件だ。
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ちび(プロフ) - めっちゃ楽しすぎました、パララブ不思議な世界観めっちゃ好きでした、長い間2人外にいたから、楽屋での5人は心配だったでしょうね。続妄想してます。楽しい話でした💓❤️ラブラブ藤北可愛いすぎました。 (2023年4月20日 23時) (
レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - はじめまして。先程、こちらの昨日を読ませていただきました。思いもかけない展開に、ドキドキして一気に読み進んでしまいました。想像出来ない展開、すごく面白かったです(o^^o) これから他の作品も読ませていただきます(o^^o) (2021年6月24日 22時) (レス) id: 879c96607e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - くらげさん» くらげさん！！お返事遅くなりごめんなさい(^◇^;)私も愛されまくりのみっちゃん大好物です笑私もくらげさんのお話全力待機してまーす！！いつもありがとうございます！ (2020年8月5日 17時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蜜柑さん、完結お疲れ様でした！この2人はこれから先もずっとこんな感じでラブラブなんだろうと思わせて貰えてとても幸せな気持ちになりました！ありがとうございます(*´ω`*)明日〜も楽しみにしておりますし総受けも是非読みたいです！愛されKさん幸せすぎます(〃ω〃) (2020年8月2日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんばんは！本当ですか？！(^◇^;)ひとりでもいらっしゃるなら嬉しいです！！ (2020年7月30日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑
| 作成日時：2020年1月26日 19時
