２.Ｋｉ ページ2
ほら、と少し微笑んで差し出された手のひら。
ちょいちょいって人差し指を動かして、おれを誘導しようとしている。
(…繋ぎたい…けど、)
ここは色んな人が行き交う、局の廊下だと言うこと。
その事実が、自分の欲求をセーブする。
躊躇い、周囲に視線を彷徨わせていたら、さり気なく藤ヶ谷の手に自分の手が捕まってしまう。
「…っ、ちょ、藤ヶ谷っ！//」
Ｆ「大丈夫。意外と気付かれないもんだよ(笑)」
笑って堂々と繋いだ手をぶらぶらさせて、少し先を歩く藤ヶ谷の背中を追う。
物珍しそうにスタッフの視線を感じるけれど、藤ヶ谷の力強さに繋いだ手は、一向に離してくれそうにない。
仕方ないからもう諦めて、ゆらゆら揺れる手を見つめる。
本当は、嬉しいくせに。
素直じゃないから。
それでも…
こんなおれでも、好きだと告げてくれるから…、
擽ったい気持ちに自然と笑みが溢れる。
隠す余裕すらなくて、時々俯いて、キュッと唇を引き締めて。
不意に止まった足音に、慌ててもつれそうになる自分の足音も止まって消える。
藤ヶ谷のぶつかりそうになった背中を仰ぎ見て、どうした？と小さく尋ねれば、
Ｆ「どうせなら外でこうやって歩きたいなって(笑)」
心底楽しそうに藤ヶ谷の口から漏れる爆弾発言に、思わず眉を潜めた。
仰ぎ見たまま無言で訴えたら、
Ｆ「…冗談だよ？」
「……冗談に聞こえないから。これで我慢して。」
全然納得していない藤ヶ谷の頬に、ちょっと背伸びして軽いキスをお見舞いする。
そんなおれに、目を丸くして固まる藤ヶ谷。
読み取れそうにない複雑な表情を浮かべて、小さく藤ヶ谷が呟く。
Ｆ「…おれなんかより、確実に北山の方がタチが悪過ぎるよね。」
せっかくほっぺにチュウしてやったのに、呆れたような物言いに、
「じゃあもうしない。」
そうやって淡々と言い返して、繋がれた手を振り払う。
それでも離れた手は一瞬で、すぐにキュッと捕まってしまう。
Ｆ「違うじゃん。そうゆう問題じゃないの。じゃあ唇に頂戴。」
「……それこそ違うから。」
Ｆ「ほら、早く。キス。」
二人して楽屋の前陣取って、なんちゅうやり取りをしてるんだ。
少しだけ屈んで近付く藤ヶ谷。おまけに瞼まで閉じちゃって。
くるりと視界を見渡して、確かめる。
繋いだ藤ヶ谷の手を少し引いて、また背伸びする。
小さなリップ音を含ませて、自身のそれをそっと押し付けた。
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ちび(プロフ) - めっちゃ楽しすぎました、パララブ不思議な世界観めっちゃ好きでした、長い間2人外にいたから、楽屋での5人は心配だったでしょうね。続妄想してます。楽しい話でした💓❤️ラブラブ藤北可愛いすぎました。 (2023年4月20日 23時) (
レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - はじめまして。先程、こちらの昨日を読ませていただきました。思いもかけない展開に、ドキドキして一気に読み進んでしまいました。想像出来ない展開、すごく面白かったです(o^^o) これから他の作品も読ませていただきます(o^^o) (2021年6月24日 22時) (レス) id: 879c96607e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - くらげさん» くらげさん！！お返事遅くなりごめんなさい(^◇^;)私も愛されまくりのみっちゃん大好物です笑私もくらげさんのお話全力待機してまーす！！いつもありがとうございます！ (2020年8月5日 17時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蜜柑さん、完結お疲れ様でした！この2人はこれから先もずっとこんな感じでラブラブなんだろうと思わせて貰えてとても幸せな気持ちになりました！ありがとうございます(*´ω`*)明日〜も楽しみにしておりますし総受けも是非読みたいです！愛されKさん幸せすぎます(〃ω〃) (2020年8月2日 1時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんばんは！本当ですか？！(^◇^;)ひとりでもいらっしゃるなら嬉しいです！！ (2020年7月30日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑
| 作成日時：2020年1月26日 19時
