2.Ki ページ2
「おれ、お前のこと好き。付き合って。」
F「…いいよ。」
ダメ元で告白した。まさかOKしてもらえるとか、そんな自意識過剰なこと考えてなかったし。
本当におれでいいの?そうやって何度も確認したら、うん、って同じように何度も藤ヶ谷は頷いた。
おれから掴んだから、おれからは手放せない。
だから、藤ヶ谷がどんなことしてたって、別にいいやって。
おれたちは、付き合ってる。
そうやっていつも自分に言い聞かせている。
「…今日は女としてきたの?」
F「うん、」
「……その香水、結構キツイね。」
F「…だから北山を抱きしめてんの。」
他のやつ、抱いてきた身体でおれを抱きしめながら残酷に藤ヶ谷は告げる。当たり前のように。
もう幾度となく繰り返されるそれ。
なんでおれとこんなことしてんの?って心の中で聞く。決して言葉にはしない。
言葉にしたらきっと藤ヶ谷は、簡単におれから離れて心許せる誰かの元へと消えていく。そう思えてならないから…どうしても好きだから、おれからは離れるようなことはしない。
例え藤ヶ谷が、おれ以外の人たちとそんな関係だったとしても。
F「はい、終わり(笑)やっぱ北山じゃないとダメだね。」
そのセリフの意味は?
藤ヶ谷はおれに触れた後、決まって最後にそう言う。
知りたいけど…知りたくない。
そんな複雑な気持ちが積み重なって、おれの心はもう傷付きすぎた。
藤ヶ谷は、なんでおれと付き合ったんだろう。
なんで、いいよ、なんて言ったんだろう。
ただの気休め?同情?
おれが可哀想だから?
それとも別に…意味なんてなくて。
「……風呂は?」
F「いい、朝…シャワー借りる。」
「…それで寝るの?」
F「ごめん、許して?」
もう動けない、そう付け足して藤ヶ谷がおれのベッドに沈む。
誰かを抱いてきたその格好で。消えない香水が香る身体で。
(明日、シーツ変えなきゃ…)
すぅっと気持ち良さげな寝息。寝室にその息遣いだけが響いて。
とてもじゃないけど、そこで眠れないから毛布だけ引っ張って、リビングのソファへと向かう。
気まぐれにこうやっておれんとこきて、触れてほしくない時に、おれに触れる。
そんな相反する色々な思考がおれの心を支配する。考えても考えても導き出されないその先に、疲れた思考はフッと遠退いていく。
落ちていく意識の片隅に、ぼんやりとあいつの気配を感じた気がした。
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蜜柑(プロフ) - 絢音さん» 絢音さーんヽ(^◇^*)/ ワーイコメントとっても嬉しいですーありがとうございます!!どうにかこうにかカタチにしましたが大丈夫でしょうか…オマケは私の欲望満たすために書きました笑 (2019年10月4日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - 蜜柑さん♪完結おめでとうございます!両想いのはずなのに拗らせ輔ちゃんが暴走しまくっていてハラハラしましたが、ようやくお互いの気持ちが分かった時はホッとしました!オマケのみったん…最高です(〃ω〃)ありがとうございました♪ (2019年10月4日 6時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - まりさん» こんにちは!コメントありがとうございます(T ^ T)とっても嬉しいです〜〜是非また遊びにいらして下さいませヽ(^◇^*)/ ワーイこれからもよろしくです♪ (2019年10月3日 11時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 藤北ラブさん» こんにちは(*^^*)こちらこそ最後まで読んで頂き感謝です!楽しんで頂けたなら嬉しいです!ありがとうございましたヽ(^◇^*)/ ワーイ是非またいらして下さいませ☆ (2019年10月3日 11時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 蜜柑さん。こんばんは!毎回更新楽しみにしてました!藤ヶ谷さんの狂ってる愛情も最後のみっくんの可愛さも最高でした!素敵なお話ありがとうございます!またお話楽しみにしています! (2019年10月2日 22時) (レス) id: 9c7317f745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2019年5月29日 18時