1.金髪の君…F ページ27
どこにいても視界に入る、ふわふわと揺れるそれ。
ようやく最近見慣れた金髪に、それが誰なのかを認識するようになった。
(アッシュに…金髪に…黒…?)
慌ただしく変わる君の姿に失礼ながら、その頭皮が心配だ。
お節介で頭皮に優しいシャンプーでも送ってやりたい。
そう思ってはいても、結局渡すことなんてしないけど…とことんくすぶっている気持ち。本当、ヘタレだ。
恥ずかし気もなく自身が表紙の雑誌を読んでいるフリしながら、楽屋の隅でぴょこぴょこ揺れる金髪を盗み見る。
近付く金髪に雑誌から覗いた視線が思わず彷徨い始める。
(っ、なんだなんだ…)
慌てて読んでいる雑誌に視線を落とせば、ひょっこり視界に入る金髪のそれ。
下から覗き込むように現れた北山に思わず雑誌ごと押し返す。
Ki「ちょ、やめろ!」
「なにいきなり、心臓に悪い。やめて。」
Ki「はっ?!」
思ったことそのままに拒否すれば、ムスッと頬を膨らませて不機嫌になる北山。
(か…可愛い、)
って、なに言ってんだ、おれ。
これは最早ゲレンデマジックならぬ、金髪マジックじゃないの?
小悪魔的誘惑に惑わされる自分が酷く虚しい。
そんな自分に嫌気が指しながら、いまだおれの目の前で不貞腐れたようにブツブツ呟く北山に、なんだよ…、と初めて金髪の君と向き合う。
Ki「…どう思う?」
自分から質問してきたくせに何故か不機嫌な物言い。ちゃんと聞いてやっているのに、今のどこで北山の不機嫌に触れたのか。
「…なにが?」
北山の不機嫌な物言いが伝染して、同じようにおれもムッとしたように返してしまう。
Ki「…怒んなよ!」
「別に、怒ってはないけど…」
なんなんだ、一体。
今、この瞬間だけは北山の言いたいことがわからない。仕事なら何となく理解できるのに。
おれの怒っていないと言うセリフに、幾分か安心したようでホッと息を吐く北山。
それから前髪を少しだけ摘んで、イジイジ…くるくるとしながらおれの元へと、のめり込んでくる。
(…っ、近っ!//)
予期せぬ金髪の君のどアップに大袈裟にソファへと身を寄せれば、寄せた分だけまた北山が身を乗り出してくる。
「ちょっとちょっとっ、」
Ki「うん?」
「なに…っ、近い、ちょっと離れてく…、」
Ki「なぁおかしい?!!ヘン?!」
離れてくんない?そう言おうとすれば、間髪入れずに北山の言葉が被さってくる。
(それって…)
もしかして、その金髪のことを言ってんの?
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ちび(プロフ) - めっちゃ可愛いFKもう早くくっ付いててね、からのなかいさんめっちゃ笑いました、イチャイチャ最高です、中さんにぜひ感想をお願いします、いやこれネタにありそうですね、楽しくてほっこりしました🙏 (2023年4月11日 12時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - クララさん» こちらでもありがとうございます!お察しの通り、こちらの藤北ちゃんはかなり鈍感シリーズになっております笑短編集になってますので、気が向いたら第二弾作りたいですね(^◇^;)ネタ、溜めておきます!!いつもありがとうございます! (2020年9月20日 22時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
クララ(プロフ) - 読んでいてとても楽しかったです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 65e274e21e (このIDを非表示/違反報告)
クララ(プロフ) - こんばんは( ≧∀≦)ノ遅くなりましたが完結おめでとうございます。ミツ鈍感だけど太ちゃんもいい意味で同じですね(笑)宏光なうきっと一人でやっていたと私は思っています(笑)渋ミツの『本当はこういうの好きなんだろう?』って言葉が頭に浮かんできました。好きです! (2020年9月19日 23時) (レス) id: 65e274e21e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» ありがとうございます!!イチャイチャできてましたか?笑 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年9月24日 18時