2.HUGから始まる…Ki ページ22
平静を装いながら悶々とシミュレーションする。
無意識に両腕を空に絡めながら念入りに…、
側から見ればどうみても怪しいヤツだ。
そうやって、いくら想像してみても絵になるようなハグなんて思い浮かばない。
「あぁっ、もう!」
気持ち悪い自分の行動にげんなりする。
仕事なんだから自分の気持ちなんて無視して、ハグしちゃえばいいのに。
頭では理解しているのに、想う心はいっぱいいっぱいだ。
何度も繰り返すシミュレーションに自身の腕が疲弊してくる。ダラリと降ろしたタイミングで想像に埋め尽くされた思考から解放される。
思考も身体も一息ついた瞬間、背中に感じる気配。
フッと意識を集中してみれば、無言でおれを睨み付けて立ち竦むそいつ。
「っ、?!//」
驚きと羞恥心で、思わず身体の向きを変える。
(…なんで?いつから見られてた?!!//)
背中に感じる藤ヶ谷からの突き刺さるような視線。ヒヤッとする背中に思わず側にあったクッションを抱きしめる。
柔らかいクッションをぎゅっと掴んでポスッと頭を預けたら、微かに藤ヶ谷の香水の香り。
近付く距離に益々顔が挙げられない。
F「……今度はクッション?」
見降ろされている。そんな気配に、藤ヶ谷の放った言葉はスルーする。
藤ヶ谷の呆れたような物言いに理解している。その言葉のニュアンスにはきっと、ハグの練習かよ、って言うそんな情けない感じだ。
そんな情けない感じの思考がぐるぐるぐるぐる。
見透かされた羞恥心に藤ヶ谷の存在はもう無視だ。
そうやって悶々とクッションと戦っていたら、キュッと首元に周る遠慮がちな両腕。
より一層ブワッと香るその香水にびっくりして、クッションから勢いよく顔を上げる。
F「…練習、本人ですればいいじゃん。」
「っは?!//」
ばっちりと絡み合う視線。上向くおれの視線と少しだけ俯く藤ヶ谷の視線。絡んだ視線にどこか小さな熱を含む、そんな甘い空気。
お互いにその存在を確かめて、それから藤ヶ谷がおれの正面に回ってくる。
「っ、//」
バックハグも相当ヤバイけど、これはこれで…、
そんなおれの思考を読み取るみたいに藤ヶ谷が悪戯に微笑んで、
F「はい。」
大っぴらに開かれた腕。
「っ、な…//」
(…マジで?本気でするの?!//)
益々この展開に固まる思考。
ちょいちょいって、おまけに藤ヶ谷の指先がおれを呼んでいる。
…その胸に、飛び込んでいいんだろうか。
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ちび(プロフ) - めっちゃ可愛いFKもう早くくっ付いててね、からのなかいさんめっちゃ笑いました、イチャイチャ最高です、中さんにぜひ感想をお願いします、いやこれネタにありそうですね、楽しくてほっこりしました🙏 (2023年4月11日 12時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - クララさん» こちらでもありがとうございます!お察しの通り、こちらの藤北ちゃんはかなり鈍感シリーズになっております笑短編集になってますので、気が向いたら第二弾作りたいですね(^◇^;)ネタ、溜めておきます!!いつもありがとうございます! (2020年9月20日 22時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
クララ(プロフ) - 読んでいてとても楽しかったです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 65e274e21e (このIDを非表示/違反報告)
クララ(プロフ) - こんばんは( ≧∀≦)ノ遅くなりましたが完結おめでとうございます。ミツ鈍感だけど太ちゃんもいい意味で同じですね(笑)宏光なうきっと一人でやっていたと私は思っています(笑)渋ミツの『本当はこういうの好きなんだろう?』って言葉が頭に浮かんできました。好きです! (2020年9月19日 23時) (レス) id: 65e274e21e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» ありがとうございます!!イチャイチャできてましたか?笑 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年9月24日 18時