1.F ページ1
「なに?もっかい言って?」
いつかこうなるんじゃないかっていう予感は、意外にもふとしたきっかけでやってくる。
最近の爆発的な人気で勢いを増す、俺の親友のユニットは順調に活動していて。
その活躍をグループに活かす舞祭組の面々が正直どこか羨ましいと感じていたのに嘘の気持ちはない。
マ「言ってしまえば…ピンチヒッターなんですけど。」
「ピンチヒッター?」
マネの気まずそうな言い方にあえてそれ以上追求する気はない。
ただ、ピンチヒッターでも何でも例えデビューして6年目に突入した今でも…頂いた仕事は全力で取り組みたい。そこは変わらない俺の意志だ。
頂いた詳細の仕事内容をガン見する。
意図して見つけた名前に…少しだけトクッと心臓が跳ねた。
長年持ち続けた厄介な感情は、いまだに俺の中で燻っている。いい加減どうにかしたいと思う反面このままでいたいとも思う、相反する感情のせいで、些細なことに敏感に反応してしまうのはどうしてか。
T「なになにっ⁈ずっとみつと一緒じゃん‼」
Ki「うぇっ…、ちょ…たまちゃん重いから!(笑)」
まるで小学生みたいに北山に抱きついて喜ぶたまが目について仕方ない。
ムッとする心境を他所に、それに北山があやすようにたまの頭をポンポンしている。
あぁ、もう…イヤだ。
あれを期間内ずっと見てろって言うの?
新しい仕事は嬉しいけれど…、
一夜限りの新ユニット…。何だそれ。
俺のこの厄介な感情を上手くコントロールする自信がない。
詳細の資料を片手に、いまだにキャッキャッとはしゃぐ二人を盗み見る。
「…はぁぁ、」
音楽番組本番まであと、2週間ちょっと。
嬉しいような哀しいような…俺の心境は複雑すぎて迷路行きだ。
さて、どうしたものか。
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2017年7月19日 22時