29.Ki ページ33
ジッとその握りしめた両手から、視線をあげることが出来なくて、何となく、手のひらを開いたり閉じたり。
繰り返してたら、ふわっと香る甘い匂い。
気付いたら、その嗅ぎ慣れた香りが、俺の膝に倒れこんでくる。
「…っ、///ぅえっ⁈///…な、なな…っ、///」
びっくりして、咄嗟に立ち上がりそうになったら、ぎゅっと押さえ付けるように、俺の腰に手が回る。
F「ちょ、落とさないでよっ、頭打っちゃうじゃんっ、」
腰に回された手付きが、妙にえろい気がするのは、気のせいなのか…///
「…っ、な、何で…膝枕なんか…///」
F「…やっぱり、渉より…お前の方がいい。」
急に出てきた横尾さんの名前に、ズクんと胸が痛んだ。
だけど、俺の腰に回された腕の力がぎゅっとこもるのがわかって、腹に顔を埋めながら、そんなことを言うもんだから、
すぐにどきどきどきどき苦しくなって、
無意識に、藤ヶ谷の髪に触れる俺の手は、どうかしている。
何も言わない俺に、続けて、
F「…独占欲に狂う俺を許して。」
「…え、」
俺の腹に埋めていた顔を上げて、苦しげな表情を浮かべる藤ヶ谷。
見上げられたその表情に、つられて、自分も胸が苦しくなってくる。
ぎゅっと締め付けられた胸を、慰めるようにその胸を掴む。
そぉして、弱々しく伸ばされる手。
触れようか触れまいか、迷うように伸びてくるその手に、固まる俺。
遠慮がちに…、俺の頬に触れながら、
F「…ずっと…、ずっとお前が欲しくて、堪らなかった。」
曖昧に笑いながら、切なげにそう言う藤ヶ谷。
その言葉に、
ドクンっ、と大きく心臓が跳ねる。
…これって、夢かな?
幻じゃない?
…藤ヶ谷が、
藤ヶ谷が…、
欲しいって、手を伸ばしてる。
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yuri(プロフ) - はぁー^ - ^この作品何度読んでもいいです!蜜柑さんのお時間がもしあったら、藤ヶ谷さんサイドの前半や、藤ヶ谷さんとニカちゃんの会話やその後の藤北が気になるのでお話書いてくださると嬉しいです。すみません、急に。 (2017年3月9日 16時) (レス) id: c775aeb07a (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - クララさん» こんにちは(*^^*)いつも最後まで読んで頂きありがとうございます!そうですよね!あれこれ太輔さんのことを考えすぎるみっくん…実は一番独占欲が強いのかもしれません(笑)ニカ北編は急遽入れたお話だったので…作者の嗜好炸裂です(笑)ありがとうございました! (2016年2月2日 11時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
クララ(プロフ) - なりそうなので玉ちゃん!(笑)みんなに幸あれ!(*≧∀≦*) (2016年2月2日 4時) (レス) id: 85262c7966 (このIDを非表示/違反報告)
クララ(プロフ) - 完結おめでとうございます(*≧∀≦*)太輔意地悪ですね〜そして横尾さんはお母さんですね(*´∀`)きっと太輔よりもミツの方が独占的強いかも?って思いました。太輔が横尾さんにいちゃついたらミツも玉ちゃんにいっちゃえ〜!にかちゃんだと洒落にならない修羅場に (2016年2月2日 4時) (レス) id: 85262c7966 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - アイさん» アイさーん(*^^*)こんばんは!今回も最後まで読んで頂きありがとうございましたm(_ _)mニカちゃんがかなり男前な感じですが…(笑)私は楽しかったです!少しあっさりした終わり方ですが、私的には満足しております(笑)これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2016年1月19日 23時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2015年8月26日 19時