今日も君に夢中。

１５.Ｆ ページ15

Ｙ「キスしたぁぁあ⁈みつに⁈」


「ばっか、渉！声デカイっ、」


いつもみたいに渉と一緒になって、ソファに座る。

座ったと同時に、渉に詰め寄られて渋々昨日のことを一部始終話すはめになって…、


で、冒頭に至る。


…渉に隠し事はできない。渉には、俺の気持ちを明かしていたし、何より、渉が『そんなんじゃ嫌われる』って言ったんじゃん。


Ｙ「…にしても、展開早すぎっ、」


「…だって、なんかもぉ我慢できなかったし…気持ちの多寡が一気に外れてドバッと…はあぁぁ…一生伝えないって決めてたのに。あの二人の空間はダメだった。」


Ｙ「で、みつは？なんか言ってた？」


「…知らない。そのまま、エレベーター乗っちゃったもん。」


Ｙ「おまっ、知らないって！やり逃げかよっっ、」


「ちょっ、渉‼︎言葉のチョイスっ、///ちげーからっっ、///」


Ｙ「一緒だろっ‼︎」


ベシッと、
渉が、ぎゃーぎゃー言いながら、最後に俺の頭を叩く。


っ、叩くことねーしっ、

叩かれて、そんなに痛くない頭を渉に見せ付けるようにわざとらしく、撫でながら、


Ｙ「それで、その当の本人は？」


渉の言葉に、ぐるりと楽屋を見渡す。


…まだ、来ていないっぽい。


見渡して、今度はゆっくり俯く。


「……オトコの俺がさ、キス…なんて、しかも…何年も突き放してたこの俺に……、北山…絶対びっくりしたよな…どうしよう、渉。」


俯いたまま、自分の膝を見つめて問いかけるように呟けば、


そんな俺に、無言で俺の頭に手を乗せて…、


Ｙ「…みつは、いいヤツだよ。ふふっ、」


ポンポンと優しく撫でながら、

渉が俺の問いかけるような呟きに、笑いながらそう答えていた。

１６.Ｋｉ→←１４.Ｋｉ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す