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21* ページ22

Side Miyata




どうにかこうにか目を開けた玉は、


びっくりするほどボケーッとしてて。





「………は?さかもとさんは?」


「しょるい……書き換えないと…」





とかめっちゃ意味不明のことを言ってた。


夢でも仕事してるのかいっていう感じ。






「ほら玉、帰るんでしょ」


「……あれ?宮田?……帰んの?なんで?」


「いいのほら、頑張って歩いて?」


「え……あっ」





……本人がなんて言ったって関係ない。


玉は無防備になってる時の方が正直だもんね。





「帰りたい」っていうのが本音なの俺には分かってるから。


無理矢理にでも連れて帰って休ませるんだ。






「まって……みやた、」


「いいから黙ってついてきてよ」





足元がおぼつかない玉の腕を肩に回して、エレベーターの方に向かう。





エレベーターはちょっと待ったらすぐ来て、


そしたら中から俺達の直属の上司が中から出てきた。





「あ」


「おい宮田、玉森、どこ行くんだ」





人使いが荒いことで有名な係長。


若くて有能だけど、俺は好きになれない。





直属の部下である玉が異常に働いてるのに普通にスルーするし、


あまつさえダウンしてる玉に「しっかりしろよ」なんて言ってたりしてたから。





「すいません、帰ります」


「は!?お前らの仕事はどうすんだ」





係長のその嫌そうな声を聞いた瞬間、



……俺の中で何かが爆発するのを感じた。






玉のこの顔とこの姿を見てもお前は何も思わないのか。


今だって玉は自分じゃ全然歩けてないのに。


眠くて目も開けられてないのに。






お前はそんなに偉いのか。


係長なのがそんなに偉いか。






自分の部下がこうしてこんなに具合が悪いっていうのに。


それでも仕事をさせるのか。






そう思った瞬間、自分で驚くくらいの声が自分の口から出てた。






「……俺はっ」





……俺はね、玉。





「仕事なんかよりも!!!」





仕事だけじゃない。


誰よりも、何よりも。





「全っっっっっっ然!!!」





一番、一番。






「玉の方を優先します!!」






玉のことが大事で、






「そんじゃあ!」






大好きなんだよね。









俺は係長のポカンとした顔を見ながらエレベーターに乗り込んで、


1階のボタンを強く押した。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 宮玉 , ノンリアル   
作品ジャンル:タレント
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ほか - 最新話まで一気に読ませていただきました(^^)りんごさんのペースでよいので是非この先を更新してほしいです!楽しみにしております! (2021年9月4日 21時) (レス) id: d8f5e0d33c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» まだ読んでいただけたなんて!嬉しいです…本当にありがとうございます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: b136585c56 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさん、更新ありがとうございます!ここは更新されるたびに楽しみに読ませて頂いています!この先…ミヤは裕太を守って欲しいですね。更新のんびりゆっくりお待ちしていますね。 (2020年9月11日 4時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» 返信してなくてごめんなさい、ありがとうございます! (2019年7月26日 18時) (レス) id: f95f9b47d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさんこんばんは。ちゃんと読んでいますよ!お待ちしてましたから。大丈夫です、私ものんびりしてますから〜。やっとみっくんから解放された玉ちゃん…みやっちとうまくいくといいんですが…。まったりとお待ちしてます。 (2019年1月17日 21時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご | 作成日時:2017年4月22日 18時

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