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Side Tamamori
「待って宮田、お前マジ信じられない」
「え?」
浜辺についたものの、ビーサンとか持ってなくて裸足&海パンでいることになった俺達。
砂浜の中に結構鋭いモンとか落ちてるし、気を付けながら歩きつつ宮田の腹を指でつまんだ。
「ぷよっぷよじゃん!鍛えろよ!」
「玉がガシガシしすぎなんだよ!俺が普通!」
「はぁ?甘えんなよ、鍛えろ」
宮田の腹は、特に意外性はないけど筋肉があんまり見当たらない。(笑)
確かに宮田はよく食べるし、でも運動はしないでアニメ見てるし。
……いや、でもその生活を続けてるのに、
メタボとかにならないで今のをキープしてるっていうことにすごさを見出すべきか?
「玉ー、やっぱ海綺麗だねえ」
「そりゃオフシーズンの由比ヶ浜だからな」
結局来たのはまぁ俺んちから一番近い海の由比ヶ浜。
本当は宮田となら沖縄とかのに行きたいけど、何しろ今は2人とも金が無い。
…休みもないしね、俺は。
「まだ寒いわけじゃないしさ、泳いじゃう?」
「やだよ、着替え持ってねーし帰りも電車じゃん」
「濡れて帰るのも醍醐味じゃね?」
「は?ばかじゃないの」
アホなことを言ってる宮田を抜かしてザクザク歩く。
最近はファントムの仕事も少ない。
宮田と楽しく一緒にいられて嬉しい。
波がキラキラしてるのもなんか嬉しい。
「宮田ー、海めっちゃきれいだぜ」
「いや、それさっきから俺言ってんじゃん」
「あ〜、聞こえてなかった」
「嘘つけ!返事してたわお前!」
「そうだっけ」
こんなに会話のペースが緩くて内容もくだらないのに、
他の誰と話すより幸せ。
嫌なこと全部全部忘れて、自分の幸せだけを追求できる時間が、
宮田の隣にいれば手に入る。
父さんが死んでからずっと求めてたものが、宮田と過ごす時間の中にはたくさんある。
「俺のせいで父さんが死んだ」
「俺のせいでユウトはいじめられた」
「俺のせいで母さんは毎日泣いてる」
「俺がファントムの仕事したせいで、吉田さんは鬱になった」
「俺のせいで、吉田さんの家族はバラバラになった」
…俺だってそんなこと思いながら暮らしたいわけじゃない。
でも宮田だけは、それを忘れさせてくれる。
こんなに波長の合う人他に会ったことない。宮田の他にいない。
多分、俺達は、
俺がファントムじゃなければ━━━━。
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ほか - 最新話まで一気に読ませていただきました(^^)りんごさんのペースでよいので是非この先を更新してほしいです!楽しみにしております! (2021年9月4日 21時) (レス) id: d8f5e0d33c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» まだ読んでいただけたなんて!嬉しいです…本当にありがとうございます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: b136585c56 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさん、更新ありがとうございます!ここは更新されるたびに楽しみに読ませて頂いています!この先…ミヤは裕太を守って欲しいですね。更新のんびりゆっくりお待ちしていますね。 (2020年9月11日 4時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» 返信してなくてごめんなさい、ありがとうございます! (2019年7月26日 18時) (レス) id: f95f9b47d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさんこんばんは。ちゃんと読んでいますよ!お待ちしてましたから。大丈夫です、私ものんびりしてますから〜。やっとみっくんから解放された玉ちゃん…みやっちとうまくいくといいんですが…。まったりとお待ちしてます。 (2019年1月17日 21時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2017年4月22日 18時