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39* ページ40

Side Tamamori





う……


つらい……痛い……


気持ちが悪い…






それに…ここがどこだかわからない…






でも最後に見えたのは、


宮田……?






「…ん………」


「玉!?」





目を開いたら、宮田がいた。


こんなに近くにいるの、いつぶりだろう…




宮田の声を聞いたら、


なんか気持ちがあったかくなる。






「どこ…?ここ…」


「玉、ここ病院、覚えてないの?トイレで倒れてたんだよ!」






懐かしい声。


懐かしい顔。





「具合どう?大丈夫?」






眉毛が下がって、汗かいて、


途方に暮れた顔の宮田がここにはいた。






「あ…思い出した…」


「………」


「あのスピーチ…聞いてたら……」





怖くて怖くて、


自分が汚くてたまらなくて、


それを全部綺麗にしたくて。




でも、吐くことじゃ何も……





「………」


「…みや?」





急に黙り込んで、


泣きそうな顔でじっと俺を見ていた宮田が、


ゆっくりと口を開いた。






「玉。こんな時に一方的に本当は言いたくない」


「でも…俺この何ヶ月かでずっと考えてて、」


「玉を見るたび何かおかしいって、玉の顔色も毎日毎日悪くなって、」


「それに気付いてても何もできなくて、それが本当につらくて」


「だからもっと!……気持ちがはっきりしたよ」






宮田はシャツもぐしゃぐしゃで、


その気迫や、言葉や眼差しはものすごく真剣で。






「だからっ…だから言う、玉」






……声が震えてる。








宮田が何を言ってくれるのか分かった気がした。









「…みやた、それ、」


「お願い、言わせて。もう遮らせない」






あの時の、続き。


本当は聞きたくてたまらなかった続きのことば。





でももう、手遅れだよ───。






「玉?」


「…っ」





あの時そのまま聞いてればよかった?


あの時宮田に好きだって言ってもらって、


そのままうんって頷いて、


キスして、ひとつになって。






……ファントムの汚れ仕事をしているうちならまだそれができたのに。







あのあと、


俺は、俺の体はもう汚れて、


宮田のものでも俺のものでもなく、


俺を弄んだ北山のものになって、


おぞましくて醜いなにかに変容させられた。






「…宮田…だめ…っ」


「玉、泣いたって騒いだってもう無理」


「……だめだよ…」









「……玉、愛してる」









宮田の声は本当に優しくて、


だからこそ辛かった。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 宮玉 , ノンリアル   
作品ジャンル:タレント
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ほか - 最新話まで一気に読ませていただきました(^^)りんごさんのペースでよいので是非この先を更新してほしいです!楽しみにしております! (2021年9月4日 21時) (レス) id: d8f5e0d33c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» まだ読んでいただけたなんて!嬉しいです…本当にありがとうございます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: b136585c56 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさん、更新ありがとうございます!ここは更新されるたびに楽しみに読ませて頂いています!この先…ミヤは裕太を守って欲しいですね。更新のんびりゆっくりお待ちしていますね。 (2020年9月11日 4時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - まほままさん» 返信してなくてごめんなさい、ありがとうございます! (2019年7月26日 18時) (レス) id: f95f9b47d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - りんごさんこんばんは。ちゃんと読んでいますよ!お待ちしてましたから。大丈夫です、私ものんびりしてますから〜。やっとみっくんから解放された玉ちゃん…みやっちとうまくいくといいんですが…。まったりとお待ちしてます。 (2019年1月17日 21時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご | 作成日時:2017年4月22日 18時

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