kiss me 〜 love Taisuke

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「…はい」

「あっ！もしもし？北さん？」

切ろうとしたら、画面が"通話中"になった。


「…いや」

「あのね！北さん♪私ね、来週北さんと藤ヶ谷さんと一緒に共演出来るの〜！」

「あ…あの」

「…あれ？北さん…じゃない？」


聞こえてくる声に聞き覚えがあまりなくて、慌てて画面を見た。

でも、表示されている文字は"北さん"になっている。


「北さん？」

「…藤ヶ谷です」

「えっ？！藤ヶ谷さん？！」


思ってもみなかった事で、私は声が裏返った。


「藤ヶ谷さん？！…あれ？北さんは…？」

藤「今、隣で寝てて」


隣…？
隣で寝てて？
…？！隣で寝てて、北さんの携帯に出るってことは…！
も、も、もしかして…！二人は…


藤「Aさんですよね？」

「え？あっはっはい」

藤「すみません、間違えて俺のだと思って出ちゃいました」

「え？…あっ、そうゆうことですか」

藤「北山に代わりたいんすけど、起きなくて」

「あっ！いいですいいです！そのまま寝かせててあげてください！すみません」

藤「いや、こちらこそ」

「…じゃあ」


藤ヶ谷さんと話すこともなくなって、電話を切ろうとしたら…


藤「来週、楽しみにしてます」

「え？」

藤「俺もですよね？」

「はい」

藤「俺も楽しみにしてます」

「あっ、あっ、はっはい！私も楽しみにしてますっ！」

藤「また北山に電話があったことを伝えておきます」

「あ、す、すみません」



そうして、私と藤ヶ谷さんの電話は切れた。


「ふぅ〜！ビックリしたー！」


藤ヶ谷さんと…またちょっと話せた！

何故か分からないけど、話せたことが嬉しかった。


カフェにちょっとご機嫌で戻ったら、マネージャーに「何かいいことあった？顔がにこにこしてる」と突っ込まれたけど、「何もなかったよ」と答えてしまった。


そして…私は、4泊5日のハワイへと旅立った。

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