kiss me 〜 love Taisuke

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「おっ」

「うわっ」


曲がる度に体がフラついてしまう。

北「一人でなにしてんの？」

「いやっ(笑)気にしないでください」

片手だけで鞄を支えることにして、もう一つの手を椅子に置いた。

北「はぁー…そんな飲んだかな？」

私の肩にちょこんと、頭を乗せた北さん。


「眠たい？」

北「うん…ちょっと。だから、いい？」

「ん？」

北「頭」

「あっいいよ」

北「サンキュー…」


また北さんは目を閉じた。

藤ヶ谷さんは、何も話さないまま、また窓の外を見ている。

窓越しに映るその顔は…とても綺麗に見えた。


北「…A？」

「あっ、ん？」

北「なんでもない」

「ふふっ、どうしたの？」

北「べ〜つに〜」


そう言って、椅子に置いてある私の手を握りしめた。


「北さん？」

北「Aと居たら楽しいわ」

「ありがとう」

北「うん」


北さんは、そのまま眠りに着いたかのように静かになった。

私はまた窓越しに映る藤ヶ谷さんを見ていた。


運転手さんに「この辺ですけど？」と言われて、近くのコンビニで降ろしてもらおうと思っていたら


藤「家まで行けば？…危ないでしょ」

「は、はい」

運転手さんに道を案内して、マンションの下まで送ってもらった。


北「ん…あ？着いた？」

「あっ、そのまま寝ててください」

鞄からお財布を出して、お金をここまでのだけでも…と思い出したのに。

藤「あぁ、いいですよ。帰り道なんで」

「いや、でも」

藤「本当、いいですよ」

「…すみません」

ドアが、開けられて、私は降りた。

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