あの夏を忘れない 4

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『...えっ？』




「君の今の症状は貧血ってより過呼吸かな。
過度のストレスがかかった時に起こる...
まぁ、心からの危険信号みたいな...
何か、心当たりある？」







『...はい...』








先生の優しい瞳が私を包み込む。








「そっか...そりゃ、辛かったね...」






『......』





「僕も君みたいに過呼吸になったことがあってね、高校生の時なんだけど。

進みたい道があるのに、医者にならなきゃいけなくて...まぁこれは家の事情だけでね。親ともぶつかって。

何がきっかけってわけじゃないけど、楽しそうな学生見たりする、それだけでも、過呼吸を繰り返してた。
大学生になってからは治ってて、でも、大人になった今でもね...あの感覚を思い出すことがあるよ。」






『昔の話だって思ってたんです。もう大丈夫って...』






「...時間が解決してくれるものばかりじゃないんだな...
君の抱えてるものはトラウマって呼ばれるものじゃないかな？

心に怪我をしてしまった...
時間がたって、その傷が治ったと思ってた...

でも、その傷はまだ薄いかさぶたができてるくらいで、すぐに剥がれてしまう...

剥がれたら...血が出てしまう...

君の抱えてるものは、そのくらい深い傷なんだよ。

本当に...頑張ったね...」





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頬を伝うものが涙だと...









手のひらに落ちた雫を見て気がついた...




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