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「宏光…あの日…行け…なくて…ごめんなさい…」
『もういいんだよ』
宏光も息があがってきた。
もう動こうともしないで
落ち着いた表情ではなしていた。
Aは最後の力を振り絞って伝えたかった
「あの日の事を…謝り…たかった…悩んで…優しい太輔…兄さんに…」
『わかってる…』
「今日もまた…同じ…子供の頃から…スパイとして厳し…く育てられたけれど…」
『うん…』
「本当に優しい兄さんだから…わかってくれると…」
『うん…』
「でも…約…束のこと…は話して…ないよ…」
『ありがとう、でも、もういいんだ。思い残すことはないから』
「私は…宏光を…もっと…愛したかった…」
『Aに巡り逢うために生まれてきて、それで逢えたんだから、いいんだよ』
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作者名：葵井あい | 作成日時：2019年1月10日 7時
