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Aは太輔に託った用事で、出かけた。


それは、星々が凍り付きそうなほどの夜だった。


太輔が倒れている宏光を見つけた場所を通りがかった時だった。



「赤い丘で待ってるよ」



またあの声が聞こえた。



それと同時に言いようのない胸騒ぎがした。



Aは無心で走り出した。



息を白く凍らせながら、アパートへと戻った。



「赤い丘で待ってるよ」



何度も何度も耳に木霊する声を聞きながら



階段を駆け上がりドアを開けた。

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作者名:葵井あい | 作成日時:2019年1月10日 7時

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