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そのまましばらく沈黙が続いた。
『悪く思わないでくれ。これも任務のひとつなんだ』
太輔は表情ひとつ変えずにそう言った。
「本気…ですか?」
宏光は、鋭い目つきで太輔を見た。
太輔の目には迷いは感じられない。
『あぁ…』
「本気、ですね」
宏光は確認するように言った。
それに対して、太輔も冷静に答えた。
『反体制分子を始末するのもボクの仕事なんでね』
「あなたはもしかして…」
『きっと、キミが思っている通りだよ。スパイ?工作員?とでもいうのかな。』
「…」
『キミがここで、この軍に捕まり、わが軍の機密を話すようなことがあっては困るんだよ』
「僕は自分の国を売ったりしません」
『それを信用しろと?裏切者の逃亡兵の言い分を』
「それは…っ」
『ボクはキミのように命令に逆らったりしない。本国の命令は絶対なんだよ』
銃口は少しも動かず、宏光をねらったまま。
だが、宏光も穏やかな口調でかえした。
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葵井あい(プロフ) - AOIMIZUさん» ありがとうございます(;´д`)現代ではないのですが…読んで頂けるとありがたいですm(__)m (2019年2月17日 3時) (レス) id: 7c2696f152 (このIDを非表示/違反報告)
AOIMIZU(プロフ) - あまり見たことのない世界観ですね (2019年2月14日 1時) (レス) id: 15d60a7eea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵井あい | 作成日時:2019年1月10日 6時