EP.3 胸がチクチク ページ3
翌日。
凪「それに俺のコトを知れば知るほど嫌いになると思う」
その言葉の意味を確かめるべく1日凪くんを観察してみる事にした。
・
・
・
ホームルームが始まるギリギリの時間に登校した凪くんは荷物を置くと机に突っ伏す。担任が教室に入ってきてもお構いなしで「すぴー」と微かな寝息さえ聞こえてきた。
その後の授業も寝続けて、むくっと起きたと思えば教科書を立て隠れるようにメロンパンをかじる。一応バレないようにしてるようだけど私は隣の席だから……見えてるけどね。
授業以外の休み時間はスマホゲームをして過ごしてるようだ。
さらに1週間。
凪くんは毎日同じルーティンを繰り返すだけで変わった事はなかった。
でもそんな姿を見ていたクラスメイトからは
「変人。ずっと一人でゲームしてるイメージで友達いないんじゃない」
「アイツとしゃべると呪われる」
「その逆で幸せが訪れる」
と噂されていた。
それについてどう思ってるのかスマホゲーム中の凪くんに聞いてみたけど
凪「他人からどう思われようが気にしない。ってか考えるのめんどくさいじゃん、言わせときゃいーって」
意に介さない様子だ。
『それと凪くんが言ったような嫌いになる要素なんて感じなかったけど?』
隠密パンに居眠り、ゲームばっかりしてたって私には嫌いになる程の事じゃなかった。一目惚れした相手に盲目になってる、と言われたら否定できないけど。
凪「それはAさんが俺の表面しか知らないから。俺は超めんどくさがり屋で自分のしたい事以外に興味ない」
ゲームしてダラダラ過ごすのが好きだから、ぶっちゃけ誰かに自分の時間を使いたくない。
凪「だから考え直した方がいいよ」
Aさんに本音を言えば「そっか……」と憂を帯びた表情をして目を伏せた。
その姿を見たら何故か胸がチクッとしたような気持ちになる。
別に俺が悪いわけじゃないのに変なの。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まるこめみそ | 作成日時:2024年5月6日 17時