御影の夢 ページ47
「よっ凪!乗れよ。迎えにきたぜ。」
「…頼んでないよね。」
「こないだ約束したじゃん。一緒にサッカーするって!」
「あー…まぁ。」
煮え切らない態度の誠士郎と、意気揚々と話す御影くん。
実に対照的な二人。
『俺は欲しいと思った物は全部手に入れる主義なの!今日からお前は俺の
運転席から「ばぁや」と呼ばれた人物が降りてくると、胸に手を当て俺にお辞儀をする。
「どーぞお乗りください、玲王坊っちゃまのお友達さま”も”。」
「も?」
「この人は俺の付き人だから。」
「なんなりと。」
ずっげぇ…魔女みたいな鼻…。
体を屈め車に乗ろうとすれば中から『おはよう。』その声に顔を挙げればAが居て、この瞬間ばぁやさんのお友達さま”も”の意味を理解した。
「Aなんでここに?」
『御影くんに捕まってさ…。』
眉を下げ言う彼女に思わず御影を見れば「一緒に登校できてラッキーだろ?」と言われた。
一緒に登校するのは初めてだから嬉しいっちゃ嬉しいけど。
学校へ向かう道すがら。
「へーでもサラリーマンでいいトコ就職して、投資も上手くやって45歳で一億とかっしょ…。サッカー選手ならプロで世界レベルになりゃ、一年で10億とかだぞ?」
「え、マジ?」
「マジ。フットボールドリーム♪」
金額だけ聞けば凄く魅力的に思え揺らいでいると、すかさず口を開いたA。
『…サッカーのルール知ってるの?オフサイドとか?』
「知るわけないじゃん。」
その通りAの言うようにルールすら知らない。
でも御影はその事を「だいじょーぶ!」の一言で済ませた。
「お前は俺の言う通りに動いてりゃいいから!
「…えーめんどくさそうな夢…。」
『改めてよろしくな凪は!!BOSSと呼べ!』
「着きました坊ちゃま。」
「ありがとう、ばぁや!」
ばぁやさんにお礼をして車を降りた。
やっぱり魔女みたいな鼻だ…。
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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時