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私が欲しいもの ページ39

いつもお昼を食べ終わったら、即ゲームを始めるのに今日の誠士郎は違った。




「こんなこと本来聞くべきじゃないと、分かってるんだけどさ…。」



そう口を開けば少し困ったような表情を浮かべている。



『なに?』



「土曜日ホワイトデーじゃん。だけど何を返せばいいのか分からなくて。」



『誠士郎が悩むなんて珍しいね。』



「ほんとソレ。」



早弁や昼寝する事さえも悩まず、本能のままに突き進む誠士郎が珍しく悩んでいた。



「だからストレートに聞くよ。Aは何が欲しい?」



『ええ、無理して返さなくても…。』



「いや俺が返したいからそうするの。それに可愛い彼女に喜んでもらいたい男の気持ちを察してよ。」




ジッと目を見つめてそう言う彼に、私が欲しいものを伝えた。



『私ね映画見たい。』



「え、映画?」



『そう、だけど普通に座って見るのじゃなく4DXで。』



座席が動いたりするから映画というより、アトラクションに近いと思う。



『ダメかな?』



「…ダメじゃない、映画見に行こう。」



『本当?嬉しい。』



「楽しみにしてて。」





夜になって動画を見ているとスマホに通知が届いた。



凪誠士郎10時に家迎えにいくから




AAわかった。




凪誠士郎俺4DXとか初めてだからドキドキする。




AA私も初めてだよ。酔わないで見れたらいいなぁ。



凪誠士郎見てて無理そうならすぐ教えて。無理して見る必要ないからさ。





誠士郎にとって私に関する事は「めんどくさくない」そうだ。

梨沙の言うように付き合い始めてお互い変わったのかもしれない。

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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時

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