彼から見た変化 ページ38
「じゃあまた来週ね〜。」
手を降り梨沙の後ろ姿を見送った。
「竹内さん良い子だね。」
『ほんとに…って起きてたんだ。』
「変わったね、って所から。」
『最初からじゃない。』
「そうだね。よいしょ。」
そう言って立ち上がるとリュックを背負い、帰る支度をはじめた誠士郎。
「″俺たち″も帰ろっか。」
『うん。』
校門を出て教師の目を気にする必要がなくなったので、私から誠士郎に手を絡ませ繋いだ。
『誠士郎から見て私変わったように見える?』
「竹内さんに言われたから気になるんだ?」
『うん。』
「そうだな俺目線で言うなら…凄く可愛くなった。」
『うん?』
語気を強めて言えば眉を下げ困ったような表情をし、ポツリと口を開いた。
「雰囲気が柔らが柔らかくなった気がする。そのせいか入学当初よりクラスメイトと話してるよね。」
『言われてみればよく話しかけられるかも。』
「あと確実なのは身長が伸びたこと。」
『確かに2cm伸びたけどよく気付いたね。』
そう返せば誠士郎は合わせた視線を少し下に落とし、私の唇をジーッと見つめる。
「だってキスしやすくなったんだもん。」
『バカ……。』
「可愛い。」
こんな姿は俺しか知らない。
クールな彼女が珍しく頬を赤く染め、恥ずかしがる姿に優越感を感じる凪だった。
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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時