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君しか知らない私 ページ34

誠士郎の顔を両手で包み視線を合わせ、機嫌を取るように言葉を紡ぐ。



『笑顔はどうしようもないけど、こんな風にするのは誠士郎だけ……だから拗ねないで?』



「俺以外にこんな事したら浮気じゃん。」



『そうかも。』



そう言って顔を引き寄せ。



『好きだよ。』



「んむ。」



数秒触れるだけの短いキスを落とした。






唇を離し目を開くと、かち合う二人の視線。




「こんなのどこで覚えたの?」



『きみ。』



「ふーん…えっ。」



『誠士郎としか…した事ないよ。』



「あ…。」


同じ事を2度言えば思い出した様子。



『私は誰かと付き合った事ないし、キスも誠士郎しか知らない。』



「あーわかった、わかったから。これ以上は恥ずかしいからやめて下さい。もぐ。」



誠士郎は赤くなった耳を誤魔化すように、あげたチョコを口に放り込んだ。



「もぐもぐ、んまぁー。」



『そう?ならよかった。』



「マジうまいよ。Aも食べてみて…ほら、あーん。」



『ん。』



口に広がる苺味、これは「火星」をイメージしたチョコレート。


我ながらよく出来ていると思う。




『防腐剤とか入ってないから早めに食べてね。』

 

「うん。あとは家に帰ったら食べる。」



『そうして。あ、。』
 

時計を見ればお昼の時間は残り10分を切っていた。



『昼休みになったら人戻ってきちゃうから、早く食べちゃわないと!』



「やばっ。」





時間ぴったりに食べ終え5分ほど経つと梨沙が食堂から戻ってきた。


そして私達を見れば、またあの顔をしている。



『もう、その顔やめてー。』



「上手く行ったようでなにより。」



「竹内さん、感謝永遠に。」








寝ようと布団に入ると同時にスマホが振動した。


『誠士郎だ。』



凪誠士郎美味しかった、また食べたい。


AAまた機会があれば。



凪誠士郎わかった。おやすみ。




大好き。




『私も。』



返信するとスマホを手放し目を閉じた。

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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時

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