白宝の王子 ページ32
今日は2月14日のバレンタインデー。
海外では男性から本命の女性に想いを伝える日だけど、日本はその逆で女性が意中の男性にチョコを贈る日。
これは日本独自の文化だ。
そして白宝には在籍する9割の女子からチョコをもらう、そんな人物が存在した。
一つの教室にできた女子による長蛇の列。
「玲王くんチョコ受け取って!」
「私のも!」
「おう!ありがとな!」
お礼を言ってチョコを受け取る白宝の王子こと御影玲王。
つまり御影くんに「チョコを渡したい」子の順番待ちみたいなものだ。
「さすが白宝の王子〜。」
王子と揶揄う梨沙。
『王子って…。』
「あの女子の数を見てそう思わない人いる?学校の女子の大半が彼を好きみたいじゃん。」
王子……確かにそうかもしれない。
真面目な子も彼を前にすると目をハートにし乙女モードに入っちゃうくらいだから。
「ところで
『渡すならお昼の時かな。』
「そっか、わたし今日のお昼は食堂だから。」
『珍しいね、いつもお弁当なのに。』
「たまにはね。」
お昼の時間になると宣言通り食堂へ行った梨沙と……。
「ありゃ、珍しいね。」
『いつもなら誰かしら居るのに。』
珍しい事にクラスメイト達が全員食堂に行った為、教室に居るのは私と誠士郎だけだった。
二人きりで食べるのは梨沙が転校してきて以来かもしれない。
「おなかすいたー。」
『あ、ちょっと待って…はい。』
「?」
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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時