余韻に浸りたい ページ29
『…ん……あれ?』
目が覚め時間を確認しようとスマホに手を伸ばしたが叶わなかった。
そう、例えるなら自分が抱き枕で「誰かに抱きしめられている」そんな感じ。
体をよじれば更に抱きしめられた。
「……まだ寝よう…。」
『ひゃっ。』
掠れた声で耳打ちされ、耳が
ゴロン。
『わっ。』
背中を預ける体制から向き合う体制へと変えられ、目の前には眠たげな誠士郎の顔。
『起きよ?』
「やだ。」
『やだって、子供じゃないんだから。』
「一緒に寝てたい。」
目を瞑って今にも寝てしまいそうに見える。
『まだ寝てて良いから、私は朝ごはん作ってくるよ。』
そう言えば口をバッテンにして残念そうにされた。
「昨日のAは従順で可愛かったのに…。ツンよりデレがいい。」
『私はツンでもデレでもありません。』
「ちぇ。もういいもーんだ。」
パッと布団を頭から被り不貞腐れてしまったみたい。
『後で起こしにくるから。』
ポンと布団を叩き寝室を後にした。
部屋の間取りは8畳のリビング、その隣が4畳の寝室になってます。
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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時