ダブルブッキング ページ25
クリスマス当日の16時30分。
それぞれ分担した物を持ち寄り我が家に集まった__まではよかった。
「二人共ほんとにゴメンね!!」
頭を深く下げて謝る梨沙。
遠距離の彼氏がサプライズで東京に会いに来たからパーティーに参加できない、と家に来て早々に謝られた。
『私達は毎日会えるんだし気にしないで。彼氏に会えるの楽しみでしょ?早く行ってあげなよ。』
「うぅ、ありがとう。これは私からの差し入れだと思って気にせず食べて!!」
「じゃ遠慮なく。」
慌ただしく出ていきドアがパタンと閉まった。
『お腹空いてきたし用意して食べよっか。』
「うん、そうしよう。」
買ってきたケンタをテーブルに並べ、凪くんが用意した飲み物をグラスに注ぐ。
凪くんはレモンティーで私はシャンメリー。
『「乾杯。」』
グラスを合わせ『カラーン』と音が響く。
『凪くん知ってた?今グラスを合わせたけど、フォーマルな場ではグラスを合わせず、軽く持ち上げるだけなんだって。』
『じゃあ飲み会とか、そういう時だけ?』
『そうみたい。ただ自分より目上の人には低くグラスを合わせないと失礼になるって。』
「そんな所まで上下関係とか…大人ってめんどくさー。ってかなんで知ってんの?」
『父から「大人のマナー」って教えられた。』
ふと夏休みに会った両親の事を思い出すと少し寂しさを感じた。
「Aさんの両親てしっかりしてそうだね。」
『ほんの少しシビアなくらいだよ。凪くんの両親はどんな人?』
「放任主義。」
放任主義主義とは__子どものやることにいちいち親が口出しをせず、子ども自身で考え自由に選択させる教育方針のこと。
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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時