入学式 ページ2
桜の開花と入学式が重なり青い空に桜の花びらが、ひらひらと舞う。
襟に千鳥格子模様の入った制服はそれだけでブランド力が高く、真新しいブレザーを着た新一年生はどこか誇らしげだ。
「〜3年間勉学に励み高みを目指しましょう。続いては新
入生代表の挨拶です。御影玲王くんどうぞ。」
長い校長の祝辞が終わると新入生代表の挨拶。壇上に上がった彼の姿を見て周囲がざわめいた。
意志の強さを感じさせる瞳、紫の髪色でスラリと背が高く絵に描いたような王子様系のイケメン。
その場にいる人を全て釘付けにしたのだった。
教室に戻り席に座ると隣から「すぴー」と聞こえてきた。
『寝てる?』
チラリと覗き込み見えた寝顔は……ハッキリ言って可愛かった。
男の人には嬉しくない言葉かもしれないけど。
『先生が来るから起きた方がいいよ。』
「うにゃ……あともうちょっと。」
白くフワッとした髪型に気だるそうな感じも相まって、私は『ナマケモノみたい』と呟く。
するとゆっくりとした動作で顔を上げ視線が交わる。
「ナマケモノなんて酷いじゃん。」
『そう?私はナマケモノ好きだよ。可愛いし。』
「……まあいいけど。」
彼は一瞬キョトンとしたけど気にしてないようだ。
『私はAA。今日からよろしくね!』
「凪誠士郎。」
これが彼との出会いだった。
91人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まるこめみそ | 作成日時:2023年11月26日 15時