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#13 回想記 ページ18

「ま、待って凛ちゃん」


"凛ちゃん"と呼ばれたその少女は、勝ち気そうな笑顔で振り向く。


「そっかーごめんねー、Aちゃん運動苦手だったもんね」


黄色の派手なシューズをバタつかせて、私に近づいてくる。


凛ちゃんは私より10個くらい歳上だ。なんの繋がりがあってなのかよく分からないけど、沢山遊んでくれるし一緒にいてくれる。


「ねえ Aちゃんは大きくなったら何になりたいの?」


今度は歩幅を合わせて歩いてくれる。私は決まって、こう答える。


"歌手"


「そっかあ。頑張れよう。凛ちゃんも就職していつかAちゃんに好きな物買ってやるからなあ」


語りながら、一つ一つ思い出していく。


「その、次の年でしたかね」


いきなり、母がバタバタと家に入ってくる。その顔は酷く歪み、いつもの綺麗な母親とは似ても似つかないような顔だった。


「お.....ばさん.....?」


母は息を少し呑み、凛ちゃんと私に告げた。


「貴方達の父親が、死んだ」



初めて、その瞬間に、私と凛ちゃんが姉妹であることが母の口から告げられた。凛ちゃんも、この瞬間が初耳だったらしい。


しばらくして、家に若い女の人と男の人が来た。男の人は、私を見てにっこり笑う。頭だけ下げて、私の部屋へあがる。凛ちゃんと一緒に。


「あの男の人、あんな顔してるけど本当に怖くてねー」


今入ってきた女の人もすごく怯えた顔をしていた。


「あの二人、もしかして.....凛ちゃんのお母さんとお父さん?」


察しがよかった私は、すぐそのことに気づいた。


女の人は恐らく、ヒスなのだろう。顔を見れば、すぐに分かる。


「.....うん。本当、嫌んなるよ。3年前かな、あの人連れてきたの」


「あの人は、最初は私にもあやってニコニコしてたけど、だんだん.....ね。お母さんにしか興味ないって言う感じ出し始めて。その、嫌なこともされたし。鬱かもなんつって」


"凛ちゃん"は、私の理想の女性像だった。綺麗で、優しくて、賢くて。そんな凛ちゃんを傷つけるなんて、親としてしちゃいけないことだと幼いながらに思った。幼いと言っても9歳だったので、「嫌なこと」が何かもだいたい想像がついた。


つまり―、怖くて聞けたもんじゃないが 私の憶測では、凛ちゃんの母親は一人で育児や仕事をするのに耐えきれずヒスになり、男を連れてきたということだろう。許せない。許せない。許、せない。

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設定タグ:谷山紀章 , GRANRODEO , 男性声優
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つなまよ(プロフ) - 続きが気になりすぎる…更新まってます!!!!! (9月14日 5時) (レス) @page25 id: aacf52a0b3 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 更新再開楽しみにしています! (2021年4月26日 16時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みやべ(プロフ) - うたプリ大好き?さん» すみません!更新します!!近々します!!!! (2021年4月26日 16時) (レス) id: 90d3504a95 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2021年4月26日 14時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みやべ(プロフ) - 声優って良いよね。さん» ひいいいありがとうございます!!!!これからも細々とやっていきます!!!!!!!! (2021年3月28日 15時) (レス) id: 90d3504a95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやべ | 作者ホームページ:mobile.twitter.com/miyave_uratsuku  
作成日時:2019年3月31日 17時

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