#10 雑貨屋 ページ14
起きた時には､もう既に――
｢おあぁぁぁぁ!?じっ､10時.....!!｣
10時｡10時！開店時間をとうに過ぎている｡洗濯機から適当に服を取り出し､着替える｡ギターを持って家を出て､電車で4駅ほどの距離を移動する｡
谷山さんとのLINEを開き､メッセージを打ち込む｡用を済ませるとすぐにリュックに携帯を入れ､そのまま実家まで走る｡
家に入って､同敷地内にある店の裏口を開ける｡すぐそこには､母の顔｡
｢あれ､A､遅かったね?何かあった?｣
｢や別に､寝坊｣
店内のランプをつけて回りながら返事をする｡1つのコーナーに26種類ずつあるので､こうでもしないと遅れた分は取り返せない｡
オレンジ色のハニーポットを棚に入れ､青い覆いをしてあるライトの下を通り､レジ打ちや包装をしているうちに9時間はすぐに過ぎてしまった｡
｢お疲れA｡お父さんのお参りした?｣
｢.....んーん､まだ｣
家に戻り､和室の戸を開ける｡仏壇の前に座り､父の顔を拝む｡
｢.....お父さん｡私ね､ようやくsingerとして認めてもらえそうなの｡凄い人に､君の歌で久し振りに感動したって言われてね｡.....また今日も､ギターの練習することにするよ｣
父の笑顔をもう一度見てから､和室の戸を閉める｡その足でリビングへ向かって､お茶を淹れる｡今日は.....アールグレイかな｡母の分のコーヒーも淹れて､母を待つ｡
｢あー疲れたっ､終わったー｣
｢乙｡お母さんコーヒー｣
ありがとう､と一言言ってからコーヒーを飲む彼女｡彼女は､私が23歳なのに対して43歳と､20歳の違いしかない｡私が産まれたのは彼女が20歳の時｡ということは.....､とつい思ってしまうが､考えないことにしている｡
｢singerとして認めてもらえそう.....って､凄いね｡Aの努力と天才的能力が伝わったんじゃない?｣
｢え､何､聴いてたの｣
｢私の耳は地獄耳｣
何それ､と呟いて､これまでの努力を思い出そうとしたが､できなかった｡
私は､なんの努力もしていない｡
｢認めてもらえそうな人って､誰なの?私が知ってる人?｣
｢知らないと思う.....言いたくないし｣
言いたくなかった｡
谷山紀章を､知られたくなかった｡あれ?何でだろう｡
｢また時期が来たら教えますよー｣
｢ふーん､分かりました｣
この日の夜､2人の運命を左右する言葉が､谷山紀章の口から出るのだった｡
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つなまよ(プロフ) - 続きが気になりすぎる…更新まってます！！！！！ (9月14日 5時) (
レス) @page25 id: aacf52a0b3 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 更新再開楽しみにしています！ (2021年4月26日 16時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みやべ(プロフ) - うたプリ大好き?さん» すみません！更新します！！近々します！！！！ (2021年4月26日 16時) (レス) id: 90d3504a95 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2021年4月26日 14時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
みやべ(プロフ) - 声優って良いよね。さん» ひいいいありがとうございます！！！！これからも細々とやっていきます！！！！！！！！ (2021年3月28日 15時) (レス) id: 90d3504a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みやべ | 作者ホームページ：mobile.twitter.com/miyave_uratsuku
作成日時：2019年3月31日 17時
