声優オタクの声優さん ぱーと7

過保護にも程がある ページ33

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今日はAの体調がとてつもなく悪い日。

元々仕事を減らしていたAは大きな影響は無いし、関係者には先に伝えていたから休むのは大丈夫。


ただ問題は俺。
アニメの仕事こそ極限まで減らしてるけど、CD出るしツアーもあるしでそっち方面が忙しい。



心配すぎて丸一日傍にいたいけどそうもいかなくて朝から頭を悩ませている。



悩みに悩んだ結果、少し遅れていくことにした。
ほーんと飯塚さんがわかってくれる人で助かった。





「A？なんか食べれる？俺もうちょっといるからなんでも言って」


「そんな……、仕事行ってもいいのに………」


「こんな姿見てほっとけるわけないでしょ。

ほら、俺のことは気にしないで休んだ休んだ」


「うぅ〜〜………」




全く納得してないけどベッドに戻すことには成功。

身体冷やすと良くないから毛布をかけて、それからホットミルクを準備する。


1ミリも料理できないとか情けなさすぎるから最低限できるようにはなった。……………はず。


本格的な事は全く出来ないけど。
お米炊くのはできる。あとお粥も作れるようになった。たぶん。




「……………なんか親になった気分」


「親になるんだよなぁぁ〜〜〜〜」


「まだ実感わかねぇんだよな。俺が妊娠してる訳じゃないからだろうけどさ」


「大丈夫大丈夫！妊娠してる私が実感ないから！」


「……それほんとに大丈夫？」


「お腹おっきくなれば実感わくんじゃない？知らないけど」




ほんとに大丈夫か心配になるくらい2人とも他人事。

けどまあ誰しも最初はそうだろうし、徐々に親としての自覚みたいなものが生まれるんだと思う。


俺ができることって言ったら家のことやったり子育てとか妊娠期間中のこととか調べてサポートするくらいしかない。

変わるなんて出来ないからさ。




「さて。俺もう家出るけど大丈夫？」


「大丈夫大丈夫。なんとかする」


「ダメそうなら連絡ちょうだい。抜けられれば抜けてくるし、無理なら花井ちゃん寄越すから」


「じゃあ花井ちゃんに連絡するー」


「……不本意だけどわかった」




ベッドの上からヒラヒラと手を振って見送ってくれるAを背に部屋を出て玄関に向かう。


心配しかしてないけどグタグタ言ってられないし。



見送ってくれたから頑張ってくるか。




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