ゲストは突然に ページ19
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「どーもどーも」
「はぁ…………」
本日12月24日。そう、フォトブックの発売日である。
そして今は絶賛お渡し会中……なのだけれど。
「いやぁ、やっぱ来てみるもんだね」
「貴方今日は一番関係ない人だからね??」
「そんなこと言わずにさぁ〜」
言葉を交わせば客席の方からはキャーキャーと黄色い声が上がる。
そうこの男、基谷山紀章。サプライズ登場したのだった。
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遡ること数時間前。
私は時間通りに迎えに来てくれた花井ちゃんの車に乗って会場入りした。
控え室でお渡し会のスケジュール確認とメイクとこれまたいつも通りに準備を進めていた。
そして本番まであと十数分というところで、控え室のドアが開く。
大方社長が様子見に来たんだろうと思っていたら聞こえてきたのは予想外の声。
いやある意味予想通りかもしれない。
控え室に入ってきたのは満面の笑みを浮かべた愛しの旦那様。
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……………………なぜ?
「…………ナンデココニイルンデスカ」
「会いたかったから♡」
「……仕事行ったんじゃないの?」
「仕事しに来たよ?サプラーイズってね!
いつぞやの仕返し♡」
「………はぁ」
ほんとに仕事だったらしい。私がサプライズでライブに出た事を根に持っていた。
…………嬉しかったくせに!
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そんなこんなで結局2人でイベントが進んでいる。
「実家に前野連れてったわけじゃん?」
「そういう撮影だったからねぇ」
「お義母さんに勘違いされなかった!?」
「心配しなくてもちゃんと知ってたから勘違いしないよ 笑」
「あー良かった……。ちなみにかっきーとデートしてるじゃん?」
「デートじゃないですぅ!!思い出巡りですぅ!!!」
「似たようなもんじゃん 笑」
おおよそ夫婦とは思えない会話だけど、家でもこんなだし会場は盛り上がってるから全然問題ない。
普通のアニメイベントとかロケよりも緩い空気で素に近いこともあって家感が出ていた(らしい)
いざフォトブックを渡す時間。
隣にはピッタリくっ付いたきーくん。
お客さんは目の前に立っただけで顔を手で覆う。
たまに聞こえる「やばっ………本物の夫婦だ………」「むりまとめて推せる……」という限界オタクの声。
なんだか自分を見てるみたいで親近感を覚えた。
オタクってジャンル違ってもだいたい同じなんだね……。
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吐息(プロフ) - 更新ありがとうございます…!!! (2022年6月12日 0時) (レス) @page49 id: a1c6cc7dcc (このIDを非表示/違反報告)
ミックーリ(プロフ) - 吐息さん» こちらこそありがとうございます!紀章さん頑張っちゃいますよ(`・ω・´) (2022年5月7日 21時) (レス) @page37 id: 2958225488 (このIDを非表示/違反報告)
吐息(プロフ) - 子育て編もめちゃくちゃ楽しみです(*ˊˋ*)ありがとうございます! (2022年4月30日 21時) (レス) id: 8b136feb2f (このIDを非表示/違反報告)
ミックーリ(プロフ) - あさりさん» 現実では恐らく絶対に見られないので………😂😂😂 (2022年3月27日 8時) (レス) id: 2958225488 (このIDを非表示/違反報告)
あさり(プロフ) - やばい!紀章さんパパになるのめっちゃ嬉しい😆😆 (2022年3月22日 10時) (レス) @page21 id: 8ec5c40760 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミックーリ | 作成日時:2022年2月11日 2時