声優オタクの声優さん ぱーと7

待望 ページ20

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最近Aの顔色が悪い。

なんならよくフラフラしているのを見かける。



俺がそばにいるときなら助けてあげられるけど、そうじゃない時は本当に不安だ。

特に今Aはライブの準備でバタバタしているから余計に。




今日もフラフラしながらキッチンに向かっている。
作らないで休んでなって言ったけどどうしてもって聞かなかった。

倒れても大丈夫なように近くで見守ってるけど不安で仕方ない。


度々手を止めて顔を顰めてるからもうやめさせるか。
心苦しいけど。




「A、もう休も？」


「まだご飯できてない……」


「フラフラしてるの心配だから休んで？お願い」


「…………わかった」




渋々ではあるけど諦めてくれた。
幸か不幸かあまり進めていなかったようで、すぐに片付けられた。


ソファーに座らせてAの体調でも食べられそうなものを注文する。
俺も今日は飲むのやめよう。




「今注文したからちょっと待ってて」


「うーん…………」


「ほんと大丈夫？最近頑張りすぎじゃない？」


「なんか……疲れじゃないと思う……」


「ぅん？？？」


「凄くダルいっていうかなんていうか……」


「………………」




ダルいなら風邪なんじゃと思っておでこを触ると熱を持っていた。

これ風邪じゃね？




「熱あるみたいだけど風邪じゃない？」


「うーん………。風邪引いてる感じもしないんだよね……」


「………………ぁ」




ただ一つ。ふと頭に浮かんだ体調不良の原因。
確証はなくてとりあえずiPadで調べる。

Aの症状とかなり一致するし時期も重なる。




「A、最近来た？」


「………………そういえばきてない、かも」


「検査薬あったよね？試そうか」




一応と買っておいた検査薬を取り出して試しに向かうAを見送った後、ソファーで脱力した。



多分そう。最後にしたのはちょうどその確率が高かったとき。

1回じゃ簡単には出来ないよね〜とか話してたけどやっぱ上手くいく時はちゃんと出来んだな。




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検査薬を手に持ったAが戻ってきた。

目に少し涙を浮かべて。




「見て…！」




渡されたそれにはくっきりと線が2本。
つまり。




「A、明日一緒に病院行こう」


「うん！」


「…………ありがとう、頑張ろうね」




まだちゃんと決まったわけじゃないけど、きっとそうだから。

家族が増えるなんて夢みたいだ。




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