両親と紀章さんと ページ38
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改札を抜けて人の流れに沿って外へと向かう。
紀章さんは大丈夫かなー?なんて思ったけど、そもそも大都会東京で20年以上生活しているから人の多さには慣れているし。
難なく後ろを着いてきていて少しホッとした。
「なんか緊張してきた」
「そんなに?うちの親も普通よ普通」
「Aちゃんが緊張する理由も分かったわ。
普通って言われても不安しかない」
「大丈夫だって 笑」
駅の外に出ると少し離れたところにお母さんが立っていた。
「お母さんいた!紀章さん、あっちだよ」
「いよいよご対面か………」
「まじで普通の人だからね!?」
「いやそれは分かってんだけどさ…」
うんうんと唸る紀章さんをお構い無しにお母さんの元に連れて行く。
一応顔出しのお仕事をしているので、大声は出さずに手を振ってお母さんに合図をする。
すると向こうも気づいたようで笑顔で手を振り返してくれた。
うん、さすが我が親。
「おかえり。人多かったやろー?」
「ただいまー。年始ってこんな多かったっけ?
改札周り多すぎるやろ」
「駅は毎年こんなもんよ?あ、谷山さん!
わざわざありがとうございますー!」
「いやいや。こちらこそ年始なのにすみません。
改めまして、谷山紀章です」
「そんな固くならんで!もう家族みたいなもんやしねぇ。旦那もうちで楽しみに待っとるから」
「なんというか……。緊張しますね…笑」
「お母さん!紀章さんはこう見えても繊細な人なんやから!」
「こう見えてってなんだよ!」
「仲良しねぇ〜」
駅の近くに止めてあった車に乗り家に向かう。
ちなみにこの車は私が買ってあげたやつ。
車内では周りの目が無くなったのをいいことに、お母さんが本気を出しひたすら喋り倒していた。
何度も言うようだけどやっぱり血は争えないなぁと。
紀章さんも笑いながら「Aちゃんってお義母さん似なんだね」とか言うし。
(ちなみにこのお義母さん呼びが嬉しかったらしく、めちゃめちゃテンションが上がっていた母)
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車で揺られること15分程。無事に自宅に到着。
ついこの前前野と撮影で来たから久しぶり感は全くない。
やっとゆっくり休めるなーなんて思いつつ家に入ろうとすると紀章さんに袖を引かれた。
「ねぇ。ここほんとにAちゃんの実家?」
「そうだよ?」
「立派すぎない……?」
「まぁー……2人とも医者だしねー」
「は?」
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ミックーリ(プロフ) - すーさん» ありがとうございます(*´ω`*) (2020年10月26日 22時) (レス) id: 2958225488 (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 面白いです!続きが更新されるの待ってます。頑張ってください。 (2020年10月23日 7時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
ミックーリ(プロフ) - リジュさん» 放置気味で申し訳ないです……。待ってくださってありがとうございます!!若干スランプ気味なのでまた時間がかかりそうですが、引き続きどうぞよろしくお願いします^^ (2020年8月18日 0時) (レス) id: 2958225488 (このIDを非表示/違反報告)
リジュ(プロフ) - 更新ありがとうございます!紀章さんお誕生日でもしかして、と思っていました!!うれしいです。これからも頑張ってください! (2020年8月11日 14時) (レス) id: ffc829d7cf (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮麗子(プロフ) - ミックーリさん» はい!待ってます!ご無理はなさらないでくださいませ! (2020年6月18日 19時) (レス) id: 3300853b00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミックーリ | 作成日時:2020年1月23日 12時