声優オタクの声優さん ぱーと4

落ち着かない ページ32

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「美味しい？」


「美味いよ！いつも家で食ってるけど新幹線だともっと美味く感じる」


「良かった〜。ちょっと寝坊していつもより味付け雑だったんだよね 笑」


「それでも美味いよ。てかAちゃんが作ったってだけで美味いもん 笑」


「それはよく分からないかな……？」




東京を出発して約1時間半。寝坊しながらもせっせと作ったお弁当の時間だ。
ホームでは駅弁がーなんて言ってた紀章さんだったけど、お弁当を見た瞬間「買わなくてよかった！！」なんて言うんだもん。

そういう所が可愛いんだよなぁ………。




「あー美味かった！いつもありがとうね」


「はい、お粗末さまでした。褒めても何にも出ないよー？」


「事実だからね。ご褒美は欲しいけど♡」


「山口まで我慢してくださーい」


「じゃあ着いたらちょうだい♡」


「気が向いたらねー」




「なんでー！いいじゃん！」なんてぶりっ子してるけど誘いには乗らないぞ……！



それにしても山口までかなり時間がかかるとはいえ既に少し緊張している。

そもそも彼氏のご両親に会うなんて初めてだし……。
前もって連絡してあるし紀章さんもそんなに構えなくていいなんて言ってくれたけど緊張する時はするんだ。


紀章さんにバレないように深呼吸をする。
……今日中に会うんだから少しでも落ち着いておかないと。




「緊張してるんでしょ？」


「あ、やっぱりバレたか……」


「隣でそんな深呼吸されたらバレるっつーの 笑」


「……しょうがないじゃん。こういうの初めてなんだもん」


「田舎の人だから気ぃ張らなくてもなんとかなるって！福岡の人と同じって思っても大丈夫だと思うけど」


「そ、れなら大丈夫……かな？」


「あ。でも年末だし親戚結構来てるかも」


「お願いだからそれ言うのやめて！！！！」




ご両親だけでも緊張するというのに親戚まで集まってるなんて……。
紀章さんが溺愛してる姪っ子ちゃんに気に入ってもらえるだろうか………。
もし嫌な顔されたら………。あぁ考えるだけで胃が痛い………。




「もうここまで来たらなるようになるから。運命に任せよ？俺もいるから大丈夫。ね？」


「絶対だからね…！！絶対捨てないでね！！」


「なんでそうなるの 笑 緊張して頭回って無さすぎ。リラックスして……。そうそう。断られるなんてないし、俺も捨てないから」


「……………ごめん。落ち着いた」


「うん、ならよろしい！着くまで寝てな？」




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