声優オタクの声優さんぱーと3 (ページ32)

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俺しか知らない顔ページ32

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「きしょーさぁぁん………」

「どうした？眠い？」

「うん……」

寝てる間に乗っ取られたTwitterを取り返してまた飲んで。
そしたらまた眠くなってしまったらしい。

「おいで」と手を広げると猫のように擦り寄ってきて、俺の胸に顔を埋めてすぐ眠ってしまった。

それが可愛くて可愛くて頭を撫でているとかっきーから感心したような声が漏れた。

「凄いっすね紀章さん」

「何が？」

「実川って酒の席で絶対寝ないんですよ」

「そうなの？俺と飲むと家でも居酒屋でも絶対寝るんだけど」

じゃなきゃ撮られてないしね。

「少なくとも3人で飲んでて寝たことはないっすね」

「酔って奇行に走ったりさっきみたいにかっきード突くことはあっても実川を家まで送り届けるなんて有り得ないです笑」

「俺もないですよー！いっつもAちゃんにお世話されてるし！笑」

「それ胸張って言えないぞ」

「実川に心許してもらってる証拠ですよ。

……あんまり言うなって言われてるんですけどね。
こいつ紀章さんといると落ち着くってよく言ってるんです」

「なにそれ可愛いんだけど」

「3人で飲むと絶対紀章さんの話しかしないんすよ。

今まではライブ行ったーとか仕事一緒だったーとか。どっちかって言うとファン目線の話だったんす。

でも最近は紀章さんとデートしたとか1日映画見たとか惚気ばっかりっすよ笑」

「それ絶対紀章さんのこと好きじゃん！マモは許しません！！」

「もうお前寝とけ！」

知らなかった。

お酒を飲んだらAちゃんは寝るものだと思っていたし、てっきり誰と飲んでも寝ているんだと思っていた。

それがどうだ。

仲の良いマモはおろか、付き合いが長いかっきーと前野くんも飲み会でAちゃんが寝たところを見たことがないときた。

それが嬉しくて、なんとも言えない優越感に襲われた。

俺にしか見せない顔があるっていいもんだな。

ニヤけが止まらなくて思わず腕の中で眠るAちゃんを抱き締める。

「んで？いつ結婚するんすか？笑」

「ダメ！まだダメ！

紀章さん！結婚するなら俺とてらしー説得してからにしてよ！」

「お前は実川のなんなんだよ…」

「弟！」

「結婚はまだ早ぇよ笑

早くて来年か？」

「結婚式は呼んでくださいよ？笑」

「当然」

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