声優オタクの声優さんぱーと3 (ページ23)

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好きという気持ちページ23

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大人しくしててと言われては仕方がない。

ソファに座ってアフレコ用の台本を開く。

そう。あの恋愛アニメの台本だ。

普段あまりやらない役だからしっかり予習しておかないといけない。

Aちゃんにかっこ悪いところも見せられないし。

あーでもないこーでもないと頭を捻りながら台本を眺めていると不意に肩を叩かれた。

「紀章さん？ご飯できたよ」

「え？もう？」

「もう？って。30分経ってるからね？」

「………ほんとだ」

どうやらかなり集中していたらしい。
珍しいこともあるもんだな。

なんて自分に感心していると「冷めちゃうから！」とAちゃんに背中を押された。

かわいいなぁと思いながら食卓につくとたくさんの料理が。

今日は和食寄りできちんと栄養バランスにも配慮してある組み合わせだ。

「短時間でよくこんな作れたね？」

「ふふん！朝紀章さんから電話もらった後、急いで下準備してたからねー！」

「じゃあライブ前にわざわざ………」

「そーです！だってあんな寂しそうな声で言われたら気合い入っちゃうもん。

それにさ、………私もその、寂しかった、し……」

なんだよそれ。

ただでさえ俺には勿体ないくらい出来た彼女で離せないなんて思ってたのに。

そんなこと言われたら離せないどころかもっと好きになるじゃん。

一度席に着いたものの立ち上がってAちゃんの方へ周り、後ろから抱き締めた。

そのまま顔を肩口に埋める。

「好き…………。Aちゃん、大好き」

「紀章さん甘えたなの？」

「そー。だから甘やかして」

「しょうがないなぁ。甘やかしてあげるから先にご飯食べよ？

紀章さんのために作ったのに冷めちゃう」

離れ難いけど紀章さんのためなんて言われたら仕方がない。

頬に軽くキスをして席に戻り、料理に手をつけた。

「どう？」

「いつも通り美味いよ。

あ、でも。Aちゃんと一緒だからいつもより美味いかも」

「よくそんなキザなこと言えるなぁ……」

今日のAちゃんはよく照れるらしい。

俺の発する言葉にいちいち反応して赤く頬を染める。

それが可愛くて可愛くて仕方ない。

もう我慢できる気がしない。

嫌われたくないけれどこのまま自分を抑え込む自信もない。

後でおねだりしてみようかな。

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