声優オタクの声優さんぱーと3 (ページ16)

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ファンの顔と彼女の顔ページ16

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「AちゃんG12には………」

「え、行くよ？」

「うん知ってた」

いや当然だよね。
むしろなんで行かないと思ったのか。

付き合う前から変わってないからね。

「……ちなみにどの辺？」

「教えなーい！」

「なんでだよ！笑」

「うそうそ笑どこだと思う？」

「関係者席以外」

「正解はねー。んふふー♡アリーナ！」

「ちけーなおい！」

追加公演行けなかった分ここで運が味方してくれた。

武道館だし良くて1階席かなと思ってたけどまさかのアリーナだった。

それだけじゃなくて割と前の方だし。
紀章さんには内緒だけど。

とはいえ前にはスタンディングエリアがある訳だし、ステージから見つけるのは難しいと思う。

今回は久々に見つからずにゆっくり見れるかも。

「俺はいい加減関係者席で見てほしいんだけど…」

「関係者席は偉い人とかいるから嫌！」

「わからないこともないんだけどさ…」

それでも紀章さんは納得いかないご様子。

関係者席ってあんまりはしゃげないから苦手なんだよね。
昔マモのライブに行った時にはしゃげなくて嫌になっちゃった。

それに関係者席で見るより普通に客席から見た方が凄さがわかるし。

「きしょーさん」

「んー？何よ？」

「あのね、関係者席から見るよりも普通に客席から見た方がきしょーさんずっとかっこよく見えると思うの。だからね……」

「あーもう！わかった！
わかったからそれ以上可愛いこと言わないで！」

俯く紀章さんの顔を覗き込もうと近づくと腕を引かれそのまま紀章さんにダイブ。
そして強く抱きしめられた。

「…………んむっ…………んん……」

「…ぅん…………っ………」

その流れでキス。
しかもキスだけじゃなくて唇も甘噛みされる。

相変わらず上手いなぁ…………。

とまあ現実逃避してみるけど解放してもらえず。

ちゃっかり腰に腕が回っているので直ぐには解放してもらえなさそう。

抵抗するのを諦めて紀章さんの首に腕を回した。

紀章さんは見計らったように口内に舌を滑らせた。

………やっばい。ふわふわしてきた。

気持ちいい……かも………。

解放してくれたと思えばまた強く抱きしめられる。

「ははっ！Aちゃん女の顔してるけど？」

「きしょーさんが上手いのが悪い……」

「最高の褒め言葉として受け取っておくわ」

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