声優オタクの声優さん

鈍感？ ページ36

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「ぁぁ………ライブ行きたい………」


「お前さっきからそればっかりじゃねぇか」


「だって！！今！！この時間ライブやってるんだよ！！！」


「分かったから落ち着け、まだ仕事終わってねぇから」


「うぅ……ライブ…………」







まだ仕事中だけどライブが気になって仕方なくて、隣に座ってる達に愚痴りまくっている。


あ、ちゃんと休憩中に話してるよ！




オルドやってる達の隣でロデオの話をするのもどうかと思うけど、まあ昔からこんな感じだし達は気にしてない(と思う)







「にしてもお前ほんと変わったな」


「え？可愛くなったって？ありがとう！」


「一言も言ってねぇよ！

そうじゃなくて紀章さんと普通に話せるようになってるし、メシも行ってんだろ？」


「あー、その話ね。
そうそう。あのビビり方はなんだったんだって感じ」


「噂の一緒に寝た事件のおかげ？」


「その言い方は誤解を産むからやめて！！
寝たけど寝てないから！！！」


「へいへい。

俺その話詳しく知らないから聞きたいんだけど」


「私も泥酔してて覚えてないんだよ……。
聞くなら前野に聞いて。あいつ離れたところから全部見てたらしいから」


「紀章さんと寝てるのを？」


「だから違うってば！
寝落ちするまでの私の愚行をだよ！」







さっきまでのライブへの執着はどこへ行ったのやら。
達が急にいじり始めたものだからそれどころではなくなった。


やっぱりこいつ私の事先輩だと思ってないな……







「まあいい事じゃん。普通の距離感になって少し楽になったんだろ？」


「まーね。今でもちょっとだけビビることあるけど、気持ちはすごい楽。


てかさ、なんでアンタらは急に私を褒めだしたの？なんなの？槍でも降るの？」


「はぁ？お前バカか。そりゃあ10年以上先輩にビビってたやつが距離縮めたら褒めるだろ」








そういうもんなのか………。
まあ褒められて嫌な気はしないし……。




あれ、私って意外と単純だったりする？

だから最近やたら紀章さんに褒められるのかな？



紀章さんってお兄さんみたいだよね。
褒められたりすると凄く嬉しくなる。









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考えてることが口から全部零れてるが、こいつは全然気づいていない。


紀章さんがAに優しい理由？
そんなん好きだからに決まってんのに、当の本人は全く分かってない。






紀章さん、これはまだまだ時間かかりますよ。








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