偽りごっこ。___SB(M.A.G.I.C)

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貴方side









『もしもし』




「あ、まだいたの」



うそ…





『お母さん…？』



「そうね。



あんたもっと稼いでくれないと」



『…え？』



「え？じゃないわよ。優太はこれから大事な時期なの。貴方は家政婦みたいなものよ？」


『…私だって女優として仕事だってあるのに』



「あんたなんかね、ただの金稼ぎの道具。あんたのこれからの人生なんて知ったこっちゃないわ」







「《あんたなんかいなければいいのに》




そうね、この言葉がお似合いかしら」








これ以上聞きたくなくて






電話を切る









手の震えが止まらない









薬…








たしか自分の部屋に置いてあるはず









精一杯の力で階段をのぼって自分の部屋に行く









その間にも






金稼ぎ、家政婦、金稼ぎ、家政婦、金稼ぎ、家政婦、金稼ぎ、家政婦…








頭の中はこの二つで埋め尽くされる









パタンとドアを閉めれば








息が荒くなる









このまま 消えれればいいのに









『…ケホッ………ハァハァッ』









バンと音がして私の身体は支えがなくなり後ろに倒れこむ









でも、それを支えてくれる




神宮寺「A!!!」








神宮寺…?








『……せっ、いふ、く ポ…ケット』







神宮寺「制服のポケット？」









静かに頷くと









ポケットから薬を取り出して私に握らせる









岸「…………………なにがあった？」









そう言う兄は






とても苦しそうな顔をしてた









でも









貴方のせいで私はっ









そう言いたいのに息があがって言えない









岩橋「と、とりあえず親御さんに連絡……」









『やめてっっっっっっっっ』







つい大きな声になって






目の前の岩橋玄樹は




驚いたような少し苦しそうな顔をしてて








なぜだか







『ごめんなさぃっ』







気がついたら謝ってた

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