351話 ページ8
「…」
長い沈黙の中、私が顔を上げると高尾くんは私の頬を撫でた
「…たまに、愛おしすぎて何もできなくなる」
高尾くんの声はすごく悲しそうで、私は思わず聞き返した
「…ちゃんと、話さないとなって思ってたんだけど」
そう呟いた高尾くんはわたしの目から目線を外して
「中1のとき、付き合ってた2個上のバスケ部の先輩がいてさ、…まあ普通に別れて」
「…その後もいろんな人に告白されたら付き合ってた」
小さなため息とともにゆっくりと言葉を吐いていく高尾くん
「…中3の時にその先輩と復縁して、」
彼はわたしの目をしっかりとみて、「家に通って、やることやってた」と言った
ズキン、と痛くなる胸
高尾くんはまたため息をついて、「…まあなんかそのあと他の大学生の男と結婚する〜とかいって、…俺はただ道具として使われてただけだったんだけど」と辛そうな顔で下を向いてしまった
わたしは頬にある高尾くんの手に自分の手を重ねた
うまく言葉が見つからない
なんて言おう、と考えていたらまた高尾くんが口を開いて
「…リナちゃんのバスケ部の先輩、その俺の元カノと仲良かった後輩だったんだよね」
「だからリナちゃんに漏れるの怖かった」と力ない笑顔で笑った
高尾くんは、ずっとわたしだけをみてくれてたのに
わたしは人から聞いた話で自分の彼氏を信じずに
何をしていたんだろう
「…え、リナちゃん!!ごめん、ごめんって、」
高尾くんの声に驚いたと同時に、わたしの目から涙が流れていることに気がついた
私は、やだったよな、ごめん、ってわたしを抱きしめてくれる高尾くんの胸板を押して、「ちがう、ちがうの、」とつぶやいた
「…人から聞いた話に流されて、…高尾くんのこと疑ったりして、…私って最低だなってっおもってっ…」
震える声、止まらない涙
溜まってたものが一気に溢れ出してしまった
私に触れる高尾くんの手がとても優しかった
「…リナちゃんは、特別なんだ」
高尾くんの声が、私の鼓膜をゆったりと揺さぶる
「…あれ以来女の子と触れ合うとか大事な存在を作るとか…怖くて、高校では彼女を作らない男って思われてる」
だから…と続ける彼
「…リナちゃんがこんな大事な存在になった今、大事すぎて手が出せなくて、…」
高尾くんの指が私の涙をぬぐった
「…そりゃ、男だもん。シたいよ、色々」
その言葉が脳味噌を刺激して、体がギュンと強張った
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水蓮(プロフ) - りんさん» いえいえ、結構前からの住人ですが18歳になってからも設定がイマイチ分かっていなくて…体調に気をつけて更新なさってください。応援しています! (2020年11月17日 8時) (レス) id: b47f96cd16 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 水蓮さん» 水蓮さん…ご丁寧にありがとうございます。Rものは完全に私の性癖詰まってますので…気に入ってもらえてよかったです( ; ; )今後もよろしくお願いします( ; ; ) (2020年11月17日 8時) (レス) id: 44efae7669 (このIDを非表示/違反報告)
水蓮(プロフ) - 何故かアプリでRものが読めない方、ブラウザで占ツク→設定→コンテンツ検索の順で探してもらうと見れるように設定できます。但し主さんの言う通り無料会員登録をしている必要があるのでお気をつけください。Rもこのシリーズも読みやすくて好きですBy成人済み (2020年11月17日 8時) (レス) id: b47f96cd16 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - Mさん» リナちゃんと高尾くんもいっぱいイチャイチャさせたくてっっっ!!!!(大声) (2020年11月17日 6時) (レス) id: 44efae7669 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ユキノさん» 占ツクの検索に、直接入力していただければ検索ができると思います。こちらのシリーズは「kisekun-◯」(◯には半角でシリーズの数字)になってます。R18のものは、確か無料会員登録をしていただかないと読めなかったと思います!回答が間違っていたらすみません。 (2020年11月17日 6時) (レス) id: 44efae7669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2020年11月14日 0時