黄瀬涼太は好きな子にアタックできません8

362話 ページ19

なんということだろう

隣には、秀徳のセーラー服を着たリナちゃんが歩いてる

「縁日やってまーーーす！！きてね〜」

俺が声を出すと、それに乗っかって「きてね〜！！」と大声をあげるリナちゃん

こういう時ノリが良いとこすごい好き

んでも別にこんなん真面目にやらなくてもいいしな、…というかリナちゃん可愛いからあんまり見せたくないっていうのも本音…。


「ね、リナちゃん、真ちゃんのとこいこう」


「おー！名案だね」

俺が人差し指を立てていたずらに笑うと、リナちゃんも拳を上げて賛成してくれた

廊下を歩いていると何人かに聞かれた「彼女？何組？」って話題

俺は秘密！って言って誤魔化したけど…なんか、同じ学校に通ってる気分になってすごい最高だ

階段を降りて、一回の長い廊下を渡って図書室へ向かった

この学校は一応進学校なだけあって、図書室が馬鹿でかい

まあ俺も本読むのは好きだし、ここの図書室はよく使わせてもらってる


俺は文化祭の雰囲気とはうってかわって物静かな図書室へ足を踏み入れた

机のあるところまで歩いていって、さっきまで真ちゃんが座ってた席を目指す



「あれ」


しかしそこに真ちゃんの姿はなかった


「いないねぇ」


「シフトとかかなあ」


俺は頭をぽりぽりかいて、とりあえず図書室を出ようと提案した

図書室から出て、俺がどうしようかと考えていると


何やら俺のワイシャツを掴んで下を向いたリナちゃん


「ん？トイレ？」

俺がとぼけた顔で顔を覗き込むと
何やら耳が赤い

その姿に少し心臓が激しくなって、「どうしたの、」と声を発そうと口を開いたところをリナちゃんに遮られた

「今日、後夜祭とか、あるの？」


突然の質問に俺は動揺しながら「ある、けど？」と答えた

するとリナちゃんは少し残念そうな顔をして俺のワイシャツから手を離した


もしかして…


「…一緒に、帰りたかった？」


俺の質問に答えてはくれなかったものの、赤くなる顔と照れ臭そうな目がそうですと返事をしている



あーー、萌え死ぬ


確かに、あの花火大会の後会えてなかったし


久しぶりだよな



「ごめん、ちがうの、なんでもない」

と手を振りながら俺から一歩下がったリナちゃんの手首を掴んで、俺は真っ直ぐに彼女の目を見た


後夜祭は出る出ないが自由だし、今日はもう片付けもないからきっとすぐに下校になるだろう


「一緒に帰ろう」





「…ていうか





　 俺んち来ない？」

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