黄瀬涼太は好きな子にアタックできません8

361話 ページ18

高尾side


「ごめん高尾、こいつ終わったらすぐやってやるから」


クラスの浴衣着せる屋さんになってる男子が俺に申し訳なさそうに言った

「ん、全然大丈夫！！」

俺は元気よく答えて、スマホを手に取る

「シフトの時間削られるだけだし」と悪い顔で呟くと、彼も、そうだなと笑ってくれた


「お前彼女帰ったん？」

と着せられてる男子が俺に聞いてきて

「まだいるよ？」と俺が返事をすると、「俺まだ見てないんだよね」なんてニヤニヤしながら言ってきて



「可愛い？」

「たりめーだろ。あーでも、美人系かも」

俺も大概バカなので急な惚気を友達にぶつけた

すると男子は手を顔に当てて暴れ始めた

「あーーっ眩しい、眩しいヨォ！」

「ちょ、暴れんな！解けるだろ」

そんな2人を見て笑っていたら、男子控室のドアがコンコンと鳴った




「高尾、いるー？」


おそらくうちのクラスの女子だろう


おれは「ほいほい！」と答えてドアを開けた

早くしろという催促だと勘違いした俺はすぐに「あ、ごめん、まだ前のやつが着替えてて、」と言い訳をしながら頭をかいた

すると「これ！浴衣着なくていいから校内回ってきてくれない？」と俺にボードを渡してきた。

「この子と一緒に！」


頭の中はハテナいっぱいだったけど、後ろにいた女子たちが何やらその中の1人を俺の前に立たせて…


「じゃーん！」





「…て、え！？リナちゃん！？」


目の前にいたのは秀徳の制服を着たリナちゃん

「ご、ごめん、なんか、着せてくれるっていうから…」


照れている表情も可愛い

ていうかなんかすげえ可愛い

どうしよう

「高尾、ニヤニヤしすぎw」
「うちらに感謝しな！」

そう言いながらリナちゃんを置いて教室にもどっていってしまった。

「えっと、」と俺が声に出そうとしたところで「高尾の彼女！？！」と後ろからさっきの浴衣を着終わった男子と浴衣着せる屋さんの男子がドアに寄ってきて

「あれ、何組の子？？」と、とぼけたかおできいてきた

「え、まてよ。他校じゃなかったか？」

と着せる屋さんが気がついて、彼女も申し訳なさそうにコクコクと頷いた

察した男子2人組は、「あいつらいい仕事すんなぁー！！」と謎のハイタッチをして、リナちゃんの肩に腕を回した


手をマイクのようにして、「高尾和成くんとおつきあいしてどうですか？」「バスケしてる姿がかっこいいですか？」なんて質問し始めて


「いやおいお前ら！！」

俺は声を荒げてリナちゃんからひっぺがした

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