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▲真実-239-▲ ページ21

降「黒子、入るよ……って。」



黒「降旗君、こんにちは。」



降「…もしかして、バスケ、またやるのか?」



その日、降旗が病室に入ると、黒子がボールを弄んでいた。


やっと戻ってきてくれるのか!と笑顔になった降旗に、黒子はちょっぴり悲しそうに笑った。



黒「いえ……戻るつもりはありません。

この体では、戻れてももう、誠凛でバスケをすることは出来ませんから。」



降「……そっか。

今日、よくしゃべるな。」



黒「しゃべっちゃ駄目なんですか?」



降「いやっそういう訳じゃ……。

……なんかあったのか?」



降旗の脳裏に、ほんの少しだけ嫌な予感がよぎる。



黒「…………。

……降旗君。」



いやに真剣な眼差しで、黒子は降旗を見据える。


その手には、いつの間にかボールではなく一冊のノートがあった。



黒「これを、君に。」



降「えっ…?」



黒「そして、さようなら。」



降「は、おま…っ何言って、」



パット見数学のノートであるそれの、ページを捲る。


降旗は絶句して、ヒュッと息を飲んだあと、再び黒子を見た。



降「…くろ、こ…なんで、これ、」



黒子の、すっかり骨ばった指が、スッと天井を指差した。


もうそれだけで、降旗は全てを察して、そして涙を溢した。



黒「…泣かないで下さい。」



降「だ、だって…ッ…なんで急に、お前…。」



黒「……早く、行った方がいいです。」



直後、天井から小さくピーッと音がした。



黒「それをどうするかは、君の勝手ですが…くれぐれも、他の人には見せないで下さい。」



降「…俺、真相を突き止めようって集団に協力してんだけど。

その仲間になら、いいか…?」



黒「駄目です。」



降「…っ、緑間と高尾の妹と、あと紫原のお兄さんもいるんだ!」



黒「やっぱいいですよ。」



何なんだよっ!と二人は笑い声を上げた。


一通り笑った後、降旗はノートを鞄に突っ込み、そして黒子の前に拳を突き出して、言った。



降「………真犯人捕まったら、報告するから。」



黒「………待ってますからね。」



こつん、と二人の拳がぶつかる。


そのまま降旗は踵を返す事なく、早足で病室を出ていった。


残された黒子の瞳からは、絶え間なく透明な滴がこぼれ落ちていて。



黒「…次に、会う時は……火神君も、カントク達も、黄瀬君達も、皆…ッ…!」



一緒、ですから。


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(´;ω;`)

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設定タグ:黒子のバスケ , 探偵 , オリキャラ   
作品ジャンル:アニメ
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ファイ - 主人公の死の真相知りたいです。書いて下さるとありがたいです(>_<)いつも応援してますっ!!続編楽しみに待ってます! (2014年4月28日 22時) (レス) id: e6e8d659c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(ayamea)(プロフ) - extraに入らない方が面白かったです。江戸川ちゃんの狂った感じとか、大好きだったのに、残念です。 (2014年4月26日 23時) (レス) id: cea22bda8f (このIDを非表示/違反報告)
ミカゲ(プロフ) - 春休みの宿題がおわんなくて、ずーっとパソコン出来なくて久しぶりにみました(^^ゞ黒子ぉぉぉ!!生きててよかったぁぁぁ(ToT)/~~~ (2014年4月8日 23時) (レス) id: e410611b3b (このIDを非表示/違反報告)
ドア?ちゃんと閉めたよ、心配しないで。 - すぃませぇん〜(ぶりっ子風)緋紗絵さぁ〜ん、ちょっとぉ今日の放課後、体育館裏来てくれなぁ〜い?← (2014年4月8日 13時) (レス) id: 1808592c18 (このIDを非表示/違反報告)
snowまろ♪ - そうなんですか・・・僕もちょうど今日から3年!くうrrrrろこっち!!生きてたんすね?!あと、いきなり言ってすみませんが、心肺停止が心配になってますよ〜。 (2014年4月7日 20時) (レス) id: 722b590d3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤司うつほ@失踪するかもしれない | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/utsuhobunkacho/  
作成日時:2014年1月8日 6時

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